変わらず面白いですよ

漫画業界に関る人々のアレコレを容赦無く描く唐沢なをき先生の傑作ギャグ漫画「まんが極道」が「まんが家総進撃」とタイトルを改め装いも新たになっての1巻目です。
まあ、
新しくなったのは装いだけですが。
収録作品は全てタイトル変更前のものだし。

というか、
この辺りの経緯さえネタにしてしまっているんですが。
一児の父となった自身ですら突き放して描く「こども極道」など、
相も変らぬ内容で安心です。

片割れが駄目な漫画家コンビが主役の「ヘムサラバくん」や幼少期に読んだホラー漫画のトラウマを描く「死ぬ」の予想外なオチは腹抱えて笑えます。

「ララァ 故郷に帰る」ではセミ・レギュラーとして定着した夢脳ララァさん、
ニッチもサッチもいかなくなって実家に帰省。
母親からは「漫画家なんか諦めて嫁げ」と言われるも、
漫画家の夢を捨てられず、
取った行動が「○○人間を装って母親を失望させようと思う！」…そういえば現実世界でも似たような事を言っていた人が居ましたな。
実家の家業を継ぐのが嫌でダメ人間を演じたとかなんとか。
何ていったっけ、
あの人。
弟の「装わなくたって姉ちゃんは最初から○○だよ」というツッコミも最高。

個人的に出色だったのは女性蔑視作家の登場する「女総クズくん」。
本作からして作者自らフォローしなければならないという、
このドス黒さがあってこその漫画であります。

ところで未亡人妻が持ち込みに来た亡き夫の原稿が某風刺漫画風だったのは何故なんでしょうね。