安らぎの時間が生まれるまでには…

学生時代（20年程前）に、
いわゆる「喫茶店」でウェイトレスをしていました。
自家焙煎した豆をネルで淹れる店で、
タバコをくゆらせながら雑誌やスポーツ新聞を読む常連さんの好みを頭に入れ、
カウンターを挟んでの付かず離れずの会話を、
店員としても楽しんでおりました。


タバコ片手にドトールで宿題をし、
禁煙して待ち合わせ場所がスタバになり、
子供と古民家カフェでパンケーキを食べるようになった今もやはり、
本を集中して読みたい、
他愛もないお喋りをしたい、
愚痴を適当にあしらって欲しい、
疲れてるから話しかけないでほしい…もちろん、
店に入ったら自動的に、
その日ある中から好みに一番近い一杯を淹れてくれる。
私のベストはやはり、
ひいきにしている喫茶店です。
この本の中には行ってみたくなる日本中のカフェや喫茶店、
コーヒーを飲む時間の為に本気の人々が沢山登場します。
コーヒー市場の状況や経済的記述は、
単なるコーヒー好きには特に関心を寄せる事項ではありませんが、
喫茶の歴史を自分の喫茶歴を重ねながら、
懐かしい気持ちになる一冊でした。