感動の美しさです。

ボート競技については何もしりませんでしたが、
アメリカアマゾンでの評判を元にサンプルを読み始め引き込まれました。

ノンフィクションですが、
まさに事実は小説よりも・・・を地で行く感じです。

1936年のベルリンオリンピックの８人乗りボートで優勝するアメリカワシントン大学チームの、
その中の一人にスポットライトが当てられ、
彼の生い立ち、
大学にはいってからの競技人生、
さらにベルリンオリンピック直前のナチス政権下のドイツの社会状況などが交互に織りまぜながら、
物語はスピーディにクライマックスのオリンピックへと進みます。

あまりにも過酷な幼少期から他人に頼ることを避けることを覚えた彼が、
８人のりボート競技を通じて自分を忘れて他人との調和することのすばらしさを再確認し、
彼がオリンピックを終えた時、
今度は自分の人生のスタートに向かって力強く立つ様が、
なんとも感動しまいした。

決してお涙頂戴の語りではなく、
むしろ淡々と語られているのですが、
なぜか心に余韻が今でも(読後すでに1カ月は経過)残っています。

ボート競技は日本ではあまり知られていませんが、
欧米では上流階級の御曹司たちが行う競技として発達したものらしく、
身体的にも相当きつい競技ですが、
そこを敢えて耐え忍ぶことによる社会のリーダーとして精神力を鍛えるという意味があったのでしょうか。
。
。
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ボート競技の美学なども随所に盛り込まれていて、
まさに、
美しく語られたストーリーです。

因みに、
スポ魂もののイメージで読み始めると違います。
またチームメートとの絡みはあまりありません。
日本語版は"ヒトラーに挑む"とか仰々しいタイトルですが、
これも少しミスリードな感じがします。
実際の心の中はいざ知らず、
日本人的にみると、
そんなリラックスしていいの~みたいな感想も逆に抱きたくなる様子も書かれています。