音楽をやる意味

キリショーはもしかしたら人生の半分は泣いてるんじゃないかと思ってしまう程、
様々なコンプレックスや悩みや立ちはだかる壁があったんだなぁ、
という感想を持ちました。
ある特殊な事情があって、
彼は普通の人よりも"音楽って何だ"と考える人生を送ってきました。
だからこそ素晴らしい楽曲やパフォーマンスが編み出されたんだと妙に納得。
彼には音楽をやる意味があるし、
音楽を考え続ける意味があるし、
普通のバンドやアーティストにはない観点や考えの深さがあるのは間違いありません。

また、
年齢的に、
彼が多感な時期を過ごしたのは、
音楽業界ではTKやビジュアル系などが台頭し、
ミリオンヒットもジャンジャン出まくったまさに音楽バブル期。
彼の作る音楽は、
その90年代の音楽バブル期のエキスをたっっぷりと吸ってより凝縮されてできたような素晴らしい作品ばかりですが、
どのように音楽に目覚めたか、
はまっていったか、
どのように音楽と共に歩んできたかも見える、
興味深い本です。
そして爆笑パフォーマンスの裏に、
音楽が届かない人がいるという現実をしっかりと見つめている冷静さがある。
この事実を知って、
ゴールデンボンバーもキリショーも、
一時の人気でなく音楽界に爪痕を残して行く存在になると感じるようになりました。