何じゃこりゃ？

この手の小説はそれなりの「あるある感」がないとダメだろうと思う。

本書にはそういうのが全然感じられない。

部員はほとんど幽霊部員、
４月には廃部寸前だった吹奏楽部（古くなった楽器をピンに見立てて
ボーリングをやっているようなレベルである）が、
そんな簡単にその年の全国（かそれに近い水準）に
駒を進められるものなのか？

もちろん絶対不可能とは言わない。
ただ、
そのストーリーにリアリティをつけようとしたら相当しんどいはず。

とりわけ、
指導者のキャラクター設定、
音楽的なバックグラウンド、
具体的な指導内容といったところは通常絶対に避けて通れないところだが、

そのへんは全くスルー、
そもそもこの程度のボリュームでその辺をきちんと描ききるのは100％不可能ではないかと思うが、

作者がそういった努力をしているようにはとてもみえない。


ただ書いただけ、
という印象が否めないし、
たとえばコンクールで何の曲をやったのかすら
（実際の演奏シーンまであるにもかかわらず）明記されないのはひどい。

恐らく人が知っている曲だと、
どう書いても突っ込まれまくりでリアリティなんぞ出しようがないからだと思うが、
どうか？

ちなみに冒頭のイラストも相当適当である。
（あんなホルンがあるか？しかもどういう持ち方だｗｗｗｗ一瞬ユーフォかと思った）
キャラクター設定全般の弱さをイラストで補おうというのも悪くはないが書くならちゃんと書いて欲しい。