依存に関する考察

一般的に「依存」とは精神的なもの（「中毒」とは身体的なもの）と言われて久しいが、

この言葉はあまり良い意味でつかわれず、
ネガティブなニュアンスを含んでいることが多い。

それは一般的に、
依存する対象がアルコールやドラッグなどを想像させるからであろう。


本書では現代人がいかに依存に陥りやすいか、
そしてそれはなぜかが端的に論じられている。

前述のドラッグなどの「一般的な」依存対象にとどまらず、
一見なにも害のないもの、

スイーツやiphoneなどにも警鐘を鳴らしている。
それらのビジネスモデルと、
人間の依存に陥る関係性を
分かり易く伝えている。
それらに熱中することは、
ドラッグ依存に陥ることと、
何らかわりないという論調である。


この本に書かれていることは、
何かしらに依存したことのある人間なら、
非常に共感しやすく興味深い内容である。

加えて、
自らの経験を「依存」と捉えられてない人間は大変多いという見解から、
依存したことがない、
と思っている人も読んでみて
自分が日常的に行っていることも、
依存症なのではないか、
と疑ってかかってみるのも一興だ。

個人的には、
依存症は病気ではなく習慣である、
という依存症専門家のゴソップ氏の主張が目を引いた。