軍歌入門にこの一冊(と2枚のCD)！

『嫌韓流』で有名な晋遊舎からの出版、
なんともインパクトの強い「いかにも」な表紙でちょっと構えてしまう人もいるかもしれませんが、
内容は特定の思想におもねらない、
軍歌という戦時中の国民に普及した文化を客観的に紹介した本となっています。

ただ紹介するだけでなく2枚組、
25トラック30曲(一部メドレー)のCDがついていて、
更にその一曲一曲に関して曲の成り立ちや背景、
国民たちにどう聞かれたか、
果ては現代のアニメに使われたことまでも詳細に解説し、
明治~昭和期のメジャーどころの軍歌を知るにうってつけの一冊ではないでしょうか。

CDに収録された曲は俗に言う「戦前歌唱」であり、
それゆえにノイズや音量が上下し聞きづらいところもありますが、
当時の空気を感じる事ができ、
自分はとても気に入りました。
書いたとおり収録曲はメジャーなものが多いですが、
敢えてその中でも珍しい音源を選んだ、
との監修者の言もあり、
このあたりの曲は聞き飽きた、
という人もちょっと違った感覚で聞くことができるかもしれません。

このボリュームに対しこの値段はコストパフォーマンス抜群で、
ちょっと軍歌に興味あり、
という人の入口にはぴったりの一冊ではないでしょうか。