日本のトンボを網羅する充実の一冊

身近でいながら細やかな種が意外とわかりにくいトンボを、

国内の全種を掲載しています。

日本のトンボというシンプルなタイトルでいながら、

内容は看板に偽り無しの素晴らしい一冊に仕上がっています。


トンボは死ぬとすぐに色が変わり始めるのですが、

本書では標本写真も〆たてホヤホヤの色落ちや黒ずみが一切無い、

生体と見紛うような写真になっており、

生体を見た後の検証に使える標本写真になっています。


生態写真や幼虫の写真も掲載されております
幼虫は終齢メインですので、
その点に関しては少々弱いと言わざるを得ませんが、

成虫に関しては類似種の見分け方や、

生息地の状況、
生息域の地図が掲載されており、

解説も細やかで、
読んでよし、
見てよし、
使ってよしな見事な図鑑になっています。


図鑑のクオリティとしては、

原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑 には負けていますが、

あちらは7万円近い価格で手の出しにくいのですが、

こちらは5千円強と1/20以下で入手できるお手軽さは圧倒的、

トンボ好きに限らず、
昆虫好きはもちろん、

虫はどうも…と言うようなネイチャリストも持っていて損の無い一冊です。


表紙に最大種と最小種を同居させる遊び心もニクいですね。