タイトルに偽りありでは

タイトルをみると、
孫子の解説本だと思ってしまう。
自分もそう思って、
買いました。
が、
孫子についての記述は全体の1割もない。
あとは、
著者が古今東西の戦略に関する本や、
経営者のインタビューを引用して、
戦略論を展開する。
「起承転結」の「起」に、
孫子を使っているだけに思えてしまう内容なのだ。


主に孫子以外で話を展開していく「承転結」に関しても、
印象に残ったものはなかった。
著者は作家なので、
自らの実践のなかで得た戦略ではない。
なので、
あくまで他の方の本やインタビューの切り貼りに留まっている。
そして、
何となく日経新聞で読むような、
ありきたりの、
いまひとつ現実感のない結論に落ち着いてしまっている。


孫子に初めて触れるきっかけとしてはいいのかも。
とはいえ、
全部で400ページ弱。
きっかけだとしても、
もっと簡潔で効率的な入門本がある。
自分は中身をみられないネットで本を買うことがほとんど。
出版界の流行なのかもしれないけれど、
こういうタイトルと内容が合致していると言い難い本は、
本当に止めてもらいたい。