鑑定っぽい鑑賞の入門書です

絵を描きたいとか、
技術を知りたい人の入門書ではなく、

どちらかというとズバリ「日本画のコレクターや、
鑑賞したい人」向けです。

　
全ページカラーで、
解りやすいです。

　
鑑定団の人が書いてるだけあって
技法のこまかいしくみなどより、
おおざっぱな日本画の系統や歴史と名画の鑑賞のポイントや
作家の性格なども紹介しながら、
本物っぽい特徴の捉え方など解りやすく書かれています。


鑑賞のポイントを説明するときは大変するどくユニークです。

たくさんの本物の絵を見てきてる人ならではの着眼点や文章の力を感じました。

作品の真偽をつつくだけでなく、
ほんとうに力のある日本画を楽しんで感じている事も伝わります。


歴史の流れと立場上、
画家をやや見下したような皮肉めいたことも
わざわざ大きなイラストでユーモアありげに書かれていて、

その頻度が多くて若干気になりました。

日本画がすきなあまり中国の影響のある画家は苦手なようでした。


純粋に知識関係なく絵が好きとか、
日本画の技法を勉強したいひとの
最初の入門にはおすすめできないと思いますが、

歴史的な絵の本質的な感じ方など、
具体的な例でわかるのは楽しいし
さまざまなものを見たり表現する時に役に立つかもしれません。