少女マンガ風と侮ることなかれ、の起業本

本著ははじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術の要点を、
少女漫画家に漫画化させたもの。

最高に美味なパイ「職人」サラが、
コンサルタントのマイケル(著者)に、
自分のパイのお店の業績不振、
今後への不安などを相談する・・・というところから物語はスタートします。


この手の「漫画化」ビジネス本は、
ぶっちゃけると、
重要ポイントを要所要所で箇条書きするせいで、

「それ別にマンガでなくてもええやん(^_^;)」
になりがちなんですが、
本著の場合は、
例として挙げられているビジネスやオーナー、
マネージャーたちがとても個性的に書かれていて、
また彼ら自身が重要なことを上手く語ってくれていることもあり、
ビジネス書とは思えないほどすんなり読み進めることができます。


しかし、
事業の目的、
自分の人生の目的などといった重要なところは、
さくさく読み進めていても、
ハッとなって立ち止まり、
じっくり熟考したりもする。

それでも読み終わるまでは、
一時間とちょっとくらいで済みました。


個人的には、
世の中のスモールビジネスのオーナー(起業家)の大半が、
自分の好きなことや、
こだわりのあることを仕事にしてしまう「職人」であり、
創造的な起業家精神、
マネジメント能力などとのバランスが悪いという指摘に、
ギクリとさせられました。

これは海外のビジネス書では頻繁に書かれていることではあるんですが、
じゃあそういう自分のこだわりが捨てられない、
でもビジネスを伸ばしていきたいというダブルバインドに突き当たった時にどうすればいいのか？
そういう切実な疑問にも、
かなり厳しいですが、
著者マイケルはサラに答えてくれています。