新生フジファブリックの完成形

自分は正直、
前作「STAR」がフジファブリックの音楽として受け入れられず、

三人体制となったフジファブリックに対して不安に似た感情が多くあった。


しかし、
一年半という短いスパンで届いた新生フジファブリックの「２nd アルバム」である
『VOYGARE』は、
そんな不安を彼方へ吹き飛ばしてくれる、
素晴らしいアルバムだった。

メンバーが「今のフジファブリックのすべてを聴いてもらえる」と語っていたように、

本作には彼らの才能、
スキル、
オリジナリティの全てが詰まっていると思う。


“徒然モノクローム”と“自分勝手エモーション”はフジファブリックらしい
キラーチューンだし、
“Time”と“春の雪”は志村正彦の“若者のすべて”を思わせる
叙情性あふれる名曲。


収録されている12曲にそれぞれの表情があり、
何度聴いても新たな発見のある、

非常に濃密なアルバムだ。


よくぞこれほどの作品を作り上げてくれたと、
拍手を送りたくなる。

新生フジファブリックへの不安は、
今後への期待に変わった。

次は一体どんな音を聴かせてくれるのか、
楽しみでならない。


初回盤付属のDVDのドキュメント映像では楽曲制作の現場がすこし覗ける。

これを観たあとにまたアルバムを聴けば、
また違った聴こえ方がするだろう。