お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記 の感想

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　この本は東大・ハーバード合格のためのノウハウ本として期待して読むと評価は全くできない。一方で努力することの大切さについて触れることはできる。しかしその点についても、「貧乏」や「英語が不得意」という読んでみるとそれ程深刻でも特別でもない点を強調しすぎたせいか、どうも「著者の自己顕示欲を満たすための本」という読後感の方が強まってしまう点が残念。私の身の回りという狭い世界にすら、著者とは比較にならないの程の厳しい環境にいながらも努力を続けて世の中に大きく貢献し、そしてそれを自慢げに語ることのない友人・知人をすぐに何人も見つけることができてしまう。著者自身が今後の人生の糧とするストーリーとしてはいいのかもしれないが、書籍にして世の中に出すことの付加価値を見つけることが殆どできなかった。

　もしも著者自身が「自分のために自分で設定した、そういう意味では社会や他人には何の関係もない目標を達成したにすぎない」ということに気付き、湧き上がる自己顕示欲をぐっと堪えて、何か世の中に具体的な貢献をした後に、昔を振り返る形でこのエピソードが世の中に出たのであれば、このストーリーの持つ意味は大分違ったのではなかろうか。

　ちなみに「医学部受験指導者」さんのレビューを見て最初えらくシニカルだと思ったが、この本への「絶賛レビュー」を書いている人々のレビュー履歴を見てみると、不思議と全員揃ってこの本以外へのレビューがないという事実に気付く。こんな偶然はあり得ないだろう。一体何がこの本に対するここまで極端な販売促進活動をもたらしているか、興味のあるところ（かく言う私も初めてですが）。