大検から慶應東大へ−37歳東大生の独りで学ぶ勉強法 (YELL books) の感想

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参照データ

タイトル大検から慶應東大へ−37歳東大生の独りで学ぶ勉強法 (YELL books)
発売日販売日未定
製作者ひろじぃ
販売元エール出版社
JANコード9784753930463
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般

購入者の感想

同じ著者の前作(『37歳中卒東大生』)を読み、読み物として面白かった。本書はその簡略版かなという予測で
期待せずに読んだ。結果的には、とても面白かったし、刺激も受けた。付箋を貼った個所も多い。それは受験勉強
の臨場感が伝わってくるからだと思う。毎朝5時半に起きて気功をやり、一日10時間勉強の勉強を続けたという
のだから、相当の努力家だと思う。

ただし、他のレビュアーも書かれている通り、学習法については疑問も多い。英語の勉強法で、まず単語を覚える・
次は洋書やネットのニュースで多読と多聴という方法論で、文法には力をいれるべきではないという。・・・実際、
それで慶応まで受かっているのだから、実績は上げているというべきだが、何とも非効率的だし、構文の理解なくして
語学の底力が伸びることはない。だから膨大な時間を多読にかけなければならなかったとみるべきだろう。
他の教科にしても、要するに定番の参考書ではなく自分に合ったものを使えということで、それ自体は正しいと思う。
だが、独学にこだわりすぎたせいか、もう少し効率的に出来たのでは、と思わされる点も少なくない。

それにも関わらず、本書は少なくとも私には役立ったし、面白かった。このくらい参考書を何周もしなければ、全国の秀才
とは戦えないよなぁとか、そういう素朴なところなのだが、類書で「頑張れば、みんな合格出来ますよ~(^^)」みたいなことを
書いてあるのが多いなか、受験は、もっともっと厳しい世界なんだということを、この本はよく教えている。

イジメのトラウマを克服し、独学により大検・慶応・東大に合格した気力と忍耐力・根性は賞賛に値する。
これだけでも学ぶべき点は多い。

ただし、勉強法のサイトまでかつて運営していたという筆者の割りにはなぜか要領のよくない勉強法も含まれている。

1.筆者はあるときまで英語を後ろから訳していたという。そのようにしていた時は成績が伸びなかったのに、
あるとき前から訳してみたらできるようになったと書いている(45ページ)
これは奇妙な話である。私は氏より6歳年長であるが、中学・高校を通してそのように訳せなどという指導は受けたことがない。辞書を片手に訳すなら、通常前の単語から訳していくというもので、そうした訓練から単語のみならず、イディオム・文法そして構文の意識ができていくものだと思う。
なぜそんな後ろから訳すような変則的な方法が身についたのかは書かれていないが、誤った方法を正しいと信じ込まされていたか、単に氏が正しいと信じていただけなのか、なんとも中学の英語の先生にとっては救いのない話だと思う。

2.日本史が得意ということはわかるが、なぜ社会科のもう1教科に世界史を選んだのか。これも理解に苦しむ。旧大検の成績も掲載されていたが、氏は世界史と地理は学習マンガの読書だけで受験し、世界史55点、地理80点であった。もちろん大検と東大入試の難度の差は天地以上のものがあるのは承知してはいるが、常識的に考えて、成績のよい方を選ぶものではなかろうか。氏は英語の他、数学も苦手としていたのであるから、地理選択の方がもっと数学や英語の学習に時間をさくことができようし、得意な日本史を圧迫する危険性も減るであろう。1年目の東大受験失敗の直接の原因は世界史でのミスだったかもしれないが、それよりも世界史を選んだこと自体に無理があったと考えざるをえない。社会での小ミスは数学・英語でカバーできたとしてもおかしくないと思う。

本書から東大受験勉強法を学ぶとすると、いったん上記のような要領の悪い部分を抜き出して読み取っていく必要がある。合格体験記としてはすばらしいものがあるが、以上の点から星の数を判断した。

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