福沢諭吉の哲学―他六篇 (岩波文庫) の感想
参照データ
タイトル | 福沢諭吉の哲学―他六篇 (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003810415 |
カテゴリ | 哲学・思想 » 東洋思想 » 日本 » 一般 |
購入者の感想
福沢諭吉の言説を追ってゆくと、その時々に応じて様々に変化していく。ある時には民権の拡張を唱え、またある時は富国強兵を主張する。朝鮮の政治指導者を保護するかと思えば脱亜論を発表するなど、後世の我々は、その振幅の激しさに戸惑わされることが多い。そこから福沢を変節漢・機会主義者と罵る声も起こってくるわけである。
丸山は福沢の著作を丹念に読み解き、一見矛盾に満ちた福沢の言説にある一貫性を明らかにしていく。その作業は良質の推理小説を読むような知的興奮を読者の我々にもたらしてくれる。読むべき一冊である。
ただ、福沢に関する予備知識がないと、学術論文だけにちょっと読むのが難しいかもしれない。同じく丸山による『「文明論之概略」を読む』や『福翁自伝』などもあわせ読むことをお勧めする。
丸山は福沢の著作を丹念に読み解き、一見矛盾に満ちた福沢の言説にある一貫性を明らかにしていく。その作業は良質の推理小説を読むような知的興奮を読者の我々にもたらしてくれる。読むべき一冊である。
ただ、福沢に関する予備知識がないと、学術論文だけにちょっと読むのが難しいかもしれない。同じく丸山による『「文明論之概略」を読む』や『福翁自伝』などもあわせ読むことをお勧めする。