犯罪者はどこに目をつけているか (新潮新書) の感想

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参照データ

タイトル犯罪者はどこに目をつけているか (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者清永 賢二
販売元新潮社
JANコード9784106104862
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

皆さんは、どのような犯罪にせよ、犯罪者は犯罪対象の標的を選んでいるらしいことはうすうす感じておられるでしょう。しかし、犯罪者でない以上、犯罪者の目の付け所については想像すらできないのが実情であると思います。
本書は、その「犯罪者の視点」を教えてくれる貴重な資料となっております。このような書は他に知りません。
この「犯罪者の視点」を知りたいという気持ちは、実は何年も持ち続けておりました。なぜかと申しますと、当方の自宅の隣の家が窓ガラス割りの手口で狙われたからです。このような事件が身近に起きて以降、勿論、窓鍵を2重にするなどの対策は即実行してきましたが、それでも「犯人はなぜ当方の住宅を選ばず、隣家をターゲットとして選んだのか?」という疑問が解けずにおりました。
このような個人プロファイルの元で、たまたま、TVの防犯対策の番組で本書が紹介されていて、待っていた本が遂に発売されたと感じました。このようなテーマに関心のある方には必読の書であると思います。
なお、本書は、内容の重複が多いので、その点に戸惑いと苛立ちを覚えるかもしれません。また、見方によっては情報提供元の犯罪者に依存しすぎていると感じられかもしれません。
しかし、それは僅かな難点であって、当方と皆さんが一番知りたい
「犯罪者は、どのようにしてターゲットを選別しているのか?」
というテーマ自体はいささかも損なわれてはおりません。
本書の読後、当方の家がなぜ狙われなかったについて、自分なりの理解を得ることができました。勿論、これで油断せず、新たな犯罪の手口について情報をアップデートし、地域の連携も含めて継続して防犯対策してゆきたいと思います。

著者は、警察庁犯罪予防研究室長を経た後、日本女子大学教授の清永賢二氏と、「ステップ総合研究所」代表の清永奈穂氏。

本書を読んで驚いたのは、主に侵入盗のプロ中のプロから取材した「スーパープロのテクニック」の具体例でした。
狙いやすい家屋、道路、場所が、最も説得力がある<犯罪者目線>による目から鱗の証言の数々、具体的な実例が紹介されていますから、防犯知識を身につけるために役立つ書だと思います。

家宅侵入しやすいのは、家周り、庭木を綺麗にしていない家であること、犬を防犯用に飼っていても手なずけてしまえば問題なく、ネコの方がかえって厄介、古い家が狙いやすい、玄関に置いてある靴の踵の低さが鍵、樋は手動エレベーターなど、目から鱗のプロの目のつけどころの数々が紹介されていました。
スーパー・プロは、ターゲットとする家の周囲(隣家を含めて)短時間見回っただけで、30箇所以上の項目をチェックできる能力をもち、また、逆にその証言によって「我々はどういう点を、具体的に気をつけたらよいか」という防犯知識を得るには良い書でした。

隣家との冷たい関係を、建築物や植栽等で鋭く見抜く目に驚きましたが、近所付き合いが良好な地域は狙いにくい点から、改めて防犯コミュニティー、近隣との良好な関係がもたらす様々な利点を改めて認識しました。
家屋に関する防犯の注意・説明等は、具体的な図、資料、イラスト、写真等が用いられているため、理解しやすいと思います。

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