螺旋のエンペロイダー Spin1. (電撃文庫) の感想

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参照データ

タイトル螺旋のエンペロイダー Spin1. (電撃文庫)
発売日2013-04-10
製作者上遠野浩平
販売元アスキー・メディアワークス
JANコード9784048914147
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

 エンペロイダーという謎の概念をめぐってMPLSと呼ばれる能力者が殺し合う、というのが概要。

 登場人物の大半が統和機構の運営する学校の生徒。一種の学園モノといえるだろう。
 生徒はMPLSなのだが、彼らの能力は弱い。印象が弱いのではなく、スカウターの数値的に弱いのだ。ジョジョでいえば第7部あたりを思い出していただくとわかりやすい。しかも、その能力は途中で消えてしまうことすらあるのだ。

 そんな彼らが突如出現する大物MPLSにいかにして立ち向かうのか……というのが第一巻の大まかな内容だが、大抵のことは螺旋を制御するという謎の能力を持つ主人公が何とかしてくれる。(なんだか、ジャイロ・ツェペリみたいだ。そのうち「俺のは技術だ」とかいいそう)

 この主人公も魅力的で面白いが、作者が読みとってほしいポイントは今回のMPLSたちのような弱く、中途半端な能力でも、彼ら彼女らにとって自分を特別視できる存在であり、なくなれば大きな喪失感を伴うということだろう。そして能力がなくなれば一般人として市井のなかに溶けてしまう。それに耐えられないものは……というのが本書のラストの展開であり、真のテーマなのだろうか。
 青春を回顧するとき誰もが体験する、あの喪失感。それこそがこのシリーズのテーマなのかもしれない。

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