火星の人 (ハヤカワ文庫SF) の感想

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参照データ

タイトル火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
発売日販売日未定
製作者アンディ・ウィアー
販売元早川書房
JANコード9784150119713
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

もともとブログで書かれていた小説が、口コミで大人気になり→出版→映画化された作品。

どんな絶望的な状況に置かれても、常に「ひとつずつ、片付けていく」ことで着実かつ冷静に問題解決していく主人公の姿勢、そして火星に1人でも思わずクスリと笑ってしまう”ブラック・ユーモア”。

学ばせていただきました。自分も生きていく上でも、参考になります。
複雑な問題にぶち当たった時も、「マーク・ワトニーならこんなとき・・・」と頭をよぎるほど。
間違いなく、私の人生にいい影響を与えてくれた作品の一つです。

映画も見ましたが、火星、宇宙船などビジュアルのリアリティに重きを置きすぎたのか、この作品でわたしが最も評価しているマーク・ワトニーの驚くべきプラス思考とユーモアな語り口調が、あまり描かれていなかったのが残念。

映画だけ見たという人は、ぜひ小説を読んでみてほしいです。まったく別物なので。

 火星調査隊の植物学者兼エンジニアのマーク・ワトニー、全6名の調査隊が事故に巻き込まれ、彼は死亡したと判断されて他5名は火星脱出。火星に置いてけぼりとなった主人公、そこから、知恵と能力とひたすら前向きな精神で、絶望的な火星生存計画を実践していくが・・・

 読みやすい、主人公の魅力が飛び抜けてる、そして何よりも文系の人間にも分かりやすく説得力のあるハードSF。
 生存のためのハードルをあらゆる方法を使って飛び越えたともったら絶望的な課題が突きつけられ、これも飛び越えたらまた新たな課題が、という繰り返しなのですが、その過程がとにかく面白いのと、科学的な考証がどこまで正確なのかは分かりませんが、説得力が凄い。救出計画については、やり過ぎ感もありますが。
 特に、導入から最初の危機を乗り越える辺りがめちゃくちゃ面白いので、のめり込んで巻を措くに能わず。
 ゼロ・グラビティの火星版ではあるのだけど、どのような状況でもユーモアと希望を失わない主人公の魅力のため、絶望的状況であるにもかかわらず、悲愴感がありません。
 若干ネタバレですが、NASAは主人公の生存を確認したため、世界中が彼の一挙手一投足を注視することになります。
 そして、世界中が彼の生存と帰還を願うように、読者も彼のことを応援したくなる。この点、本書は非常に映画向けです。
 主人公とNASAのやりとりなどは、にやけっぱなしです。
 ユーモアパートと言っていい主人公の一人称パートもいいけど、主人公の生存と帰還を願う地球側パートも泣かせるんだ。

 中盤以降、少し描写がくどくなる部分がある反面、もっと読みたいNASAとのやりとりなどが端折られてる点で、少し不満はありますが、この長さ、あっという間でした。ハードSFという概念を再認識させられました(ちっともハードっぽくない)。
 軽いっちゃ軽いけど、そこのどこが悪いんだ。オススメです。

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