角川 新字源 の感想
参照データ
タイトル | 角川 新字源 |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 角川書店 |
JANコード | 9784040108049 |
カテゴリ | 人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究 |
購入者の感想
「全訳 漢辞海」と併用していますが、やはり意味の網羅性では「新字源」
が頼りになります。その点では、今なお小型の漢和辞典では右に出るもの
がないと思います。訓や字義の信頼性が高いという定評も頷ける内容です。
私が少し難しい漢文を読む時に、一冊だけ手元に置くならこの辞書を選び
ます。
例えば「新字源」には「正」に「まと(的)」の意味が採られ、熟語の「正鵠」
は「ゆみの的。また、的の中心」ときちんと載っています。「正鵠」という
熟語は本来どちらも「的」という同義語の「正」と「鵠」が並列してできた
「的」という意味の熟語ですが、「全訳 漢字海」では「正」に「的」の意味
があることを落としてしまっているので、「正鵠」は、のちに転じた意味の
「的の中心」とだけ載っています。
また実際に用例は見たことがありませんが、「殺」に「得る。狩猟によって
獲物を得る」という意味を採っているのも感心しました。こういう用法は辞
典に載っていなければ分かりません。
ただ改訂が長くされていないことは問題で、今後、他の辞典の改定常用漢
字表への対応が進むと、辞典としての価値が低下してしまうのではないか
と心配です。
また引き易さや、字義の説明の解かり易さでは、用例を多く載せ、更に読
み下し文、訳文まで載せている「全訳 漢辞海」が優れており、もし自分が
今、高校生で漢文を学ぶなら「新字源」より「全訳 漢辞海」を選ぶと思い
ます。
かつて並ぶ者のない決定版であった「新字源」改訂版の登場を切に希望
します。
が頼りになります。その点では、今なお小型の漢和辞典では右に出るもの
がないと思います。訓や字義の信頼性が高いという定評も頷ける内容です。
私が少し難しい漢文を読む時に、一冊だけ手元に置くならこの辞書を選び
ます。
例えば「新字源」には「正」に「まと(的)」の意味が採られ、熟語の「正鵠」
は「ゆみの的。また、的の中心」ときちんと載っています。「正鵠」という
熟語は本来どちらも「的」という同義語の「正」と「鵠」が並列してできた
「的」という意味の熟語ですが、「全訳 漢字海」では「正」に「的」の意味
があることを落としてしまっているので、「正鵠」は、のちに転じた意味の
「的の中心」とだけ載っています。
また実際に用例は見たことがありませんが、「殺」に「得る。狩猟によって
獲物を得る」という意味を採っているのも感心しました。こういう用法は辞
典に載っていなければ分かりません。
ただ改訂が長くされていないことは問題で、今後、他の辞典の改定常用漢
字表への対応が進むと、辞典としての価値が低下してしまうのではないか
と心配です。
また引き易さや、字義の説明の解かり易さでは、用例を多く載せ、更に読
み下し文、訳文まで載せている「全訳 漢辞海」が優れており、もし自分が
今、高校生で漢文を学ぶなら「新字源」より「全訳 漢辞海」を選ぶと思い
ます。
かつて並ぶ者のない決定版であった「新字源」改訂版の登場を切に希望
します。