江戸の備忘録 の感想

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参照データ

タイトル江戸の備忘録
発売日販売日未定
製作者磯田 道史
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022503411
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

『武士の家計簿』で著名な、近世史研究者のエッセイ集。

文章がとても読みやすく、読んでいて疲れない。
歴史上の偉人(時には無名の人間も)や江戸時代の社会状況について、興味深いエピソードを紹介してくれる。

面白かったのは、殿様の夫人のような一部の階層では、現代人も顔負けのペットブームがすでに存在していたという話である。
当時、大名の夫人にはほとんど行動の自由がなく、大名屋敷に軟禁されているも同然の生活だったという。

それで、彼女達は慰みに「狆(ちん)」という高級室内犬を飼い、溺愛していたのである。
その愛しい狆が死んだ時の悲しみたるや、大変なものだったようだ。

昭和53年のことである。
港区高輪から、江戸時代のペットの墓石が二つ出土したそうだ。
しかもなんと戒名つきである。

「離染脱毛狗之霊、三田御屋敷大奥御狆、名染」
「素毛脱狗之霊、高輪御狆白事」

ここで「脱毛」とか「毛脱」とかいっているのは、「獣の身を脱して成仏した」ということらしい。
「セレブ犬」に「ペットの墓」と、現代人さながらの話題に何とも複雑な気持ちになってしまった。

本書の筆者によれば、現代にあって江戸時代にないものはただ一つ「動力機関」だけで、それ以外は非常にコンテンポラリーな社会が達成されていたそうである。
だからこそ、明治の日本は急激な近代化を達成できたのだという。

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