こころの科学177号 : うつの心理療法――その真実 の感想
参照データ
タイトル | こころの科学177号 : うつの心理療法――その真実 |
発売日 | 2014-08-25 |
販売元 | 日本評論社 |
JANコード | 9784535140776 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
「うつの脳は心理療法で変わるか」(中尾智博氏)の中で、薬物と心理療法が脳の中でどのように作用
するのかの実験結果を踏まえながら、「心理療法が心理面の変化からトップダウン的に脳に変化をもた
らすのに対し、薬物はまず脳に作用してボトムアップ的に心理的改善をもたらす、という違いはあるも
のの、治療による効果はこころにパラレルに起こる」と説明してくれているとことは、薬物と心理療法
の併用による効果という点で、とても腑に落ちます。
個別の心理療法について
「うつの認知療法・認知行動療法に対する誤解を解く」(大野裕氏)の、「認知行動療法にはマニュア
ルがある。しかしこれはあくまでも型の提示であり、面接の進め方のガイドである。うつの認知行
動療法では、患者の状態に応じた話の展開を重視する」。現実は変わらないから認知行動療法を使っ
て考えを変えるしかないという話については、「それを修正するためには、決めつけないで情報を
バランスよく集めなくてはならない。そのためには肌を通して体験すること、つまり情緒的な気づきが
重要になる。そのプロセスは単に考えを切り替えることととは別物である」などは、マニュアルの技法
ではなく目の前のクライエントに向き合って、現実的な答え(に近いもの)をさがしていく姿勢が強調
され、
「うつの対人関係療法の正しい理解」(水島広子氏)の中には、「たしかにIPTは現在の対人関係に焦
点を当てることが重要な特徴ではあるが、そのことは、過去の対人関係についての情報を軽視すること
とは異なる」。そして、こうもあります「とくに初期には注意深く努力する。対人関係の問題領
域への焦点づけを維持するという点では積極的であるが、患者の主体性を尊重する」
「うつ病の患者に、いつ、どのように行動を促すか」(中村敬氏)では、再発予防の心得として、
「神経症に対する森田療法とは多少強調点が異なり、病初期から、気分は気分としてなすべきこと
するのかの実験結果を踏まえながら、「心理療法が心理面の変化からトップダウン的に脳に変化をもた
らすのに対し、薬物はまず脳に作用してボトムアップ的に心理的改善をもたらす、という違いはあるも
のの、治療による効果はこころにパラレルに起こる」と説明してくれているとことは、薬物と心理療法
の併用による効果という点で、とても腑に落ちます。
個別の心理療法について
「うつの認知療法・認知行動療法に対する誤解を解く」(大野裕氏)の、「認知行動療法にはマニュア
ルがある。しかしこれはあくまでも型の提示であり、面接の進め方のガイドである。うつの認知行
動療法では、患者の状態に応じた話の展開を重視する」。現実は変わらないから認知行動療法を使っ
て考えを変えるしかないという話については、「それを修正するためには、決めつけないで情報を
バランスよく集めなくてはならない。そのためには肌を通して体験すること、つまり情緒的な気づきが
重要になる。そのプロセスは単に考えを切り替えることととは別物である」などは、マニュアルの技法
ではなく目の前のクライエントに向き合って、現実的な答え(に近いもの)をさがしていく姿勢が強調
され、
「うつの対人関係療法の正しい理解」(水島広子氏)の中には、「たしかにIPTは現在の対人関係に焦
点を当てることが重要な特徴ではあるが、そのことは、過去の対人関係についての情報を軽視すること
とは異なる」。そして、こうもあります「とくに初期には注意深く努力する。対人関係の問題領
域への焦点づけを維持するという点では積極的であるが、患者の主体性を尊重する」
「うつ病の患者に、いつ、どのように行動を促すか」(中村敬氏)では、再発予防の心得として、
「神経症に対する森田療法とは多少強調点が異なり、病初期から、気分は気分としてなすべきこと