劇的な精神分析入門 の感想

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参照データ

タイトル劇的な精神分析入門
発売日販売日未定
製作者北山 修
販売元みすず書房
JANコード9784622072850
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門

購入者の感想

名曲『イムジン河』『悲しくてやりきれない』のフォーク・クルセダーズ
北山修さんは、その後、精神科医になった。

北山さんが精神分析に持ち込んだのは『劇的』と言う考え方である。
「劇的な」は「急激な」と言う意味ではなく、「ドラマのような」
と言う意味で、急激なと言う意味は全くない。

本作を精神分析的エセイと著者は言うが、このエセイも軽い読み物という意味ではない。
エセイのように軽いタッチで書いているが重要な指摘である、ということだ。

この中で興味をひくのは『治療室=楽屋論』である。即ち、クライエントにとって現実は
舞台上の本番で、気を抜くことができない。そこで、クライエントがスッピン(もちろん心の)
になれるのが、治療室=楽屋だというのである。
なるほど、芸能人でない一般の人には確かに楽屋が無い。
ただしそこは、昔、家庭と呼ばれていたところのことではないか。
と、ぼくは思ったが、それには触れられていなかった。

セラピストは楽屋で世話をする裏方でなければならない、と北山さんはいう。

ところで、ぼくは、クライエントに必要なのは、楽屋ではなく稽古場であると思うのだが、
分析医は裏方であって、演出家のようには他人にものを押し付けない。ということなのだろう。

ところで、劇なら終りがあるはずで、分析家とクライエントの終はどういうのが理想なのだろう。
終わり方が大切とは書いてあったがそれ以上のことは、どうなれば終わるのかは、
他の精神分析家の本と同じで、またしても書いてはいなかった。

さらに、北山さん言う終わりとは分析家にとって終わりで、
クライエントの方は人生という終りの無い劇を演じ続けていくのに、
それは触れなくて良いのだろうか。

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