ピアノソロ ピアノ・オペラ ファイナルファンタジー IV/V/VI の感想

無駄に弾きにくい。「労多くして功少ない」パッセージが多い。
そしてアレンジの手法に新鮮味がない。

嵌めにくい跳躍。弾きにくいうえ効果のあがらぬ分散和音。
単純なオクターブの連打やトレモロでもって
リズムセクションとする（もっともお手軽でなおかつカッコ悪い）手法。
和声はせいぜいテンションを含まない四和音。

悪いがツェルニー40番の世界だ。

より少ない音符で十全に世界を表現した
ピアノコレクションズにおける浜口氏の編曲のほうが良い。
響きへの感受性や、特に曲のポリフォニックな扱いにおいて遙かに上。

余談だが、ヤマハには鈴木奈美や内田美雪や渋谷絵梨香など、
ピアノアレンジのツボをおさえたアレンジャーがいるのだから
彼らに分担してもらう形でアレンジを施したほうが
よほど変化に富んで弾きごたえがあり（そして弾きやすく）洒落たアレンジの一冊になったのではないか。