アベノミクスの終焉 (岩波新書) の感想

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タイトルアベノミクスの終焉 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者服部 茂幸
販売元岩波書店
JANコード9784004314950
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購入者の感想

「現在の異次元緩和も実際にはそれほどの成果をあげていないことは、第1章で示した通りである。この異常事態に気づかないとともに、それを隠蔽しているのは、政府・日銀であり、彼らに加担する経済学者である。逆に異次元緩和によって日本経済が復活を遂げていると思い込ませている」(本書184頁)
各種データに基づき、以上のような結論を下している。

これだけ読むと、本書の著者はアベノミクス全否定の論者のように思われるかもしれないが、
必ずしもそうではない。
認めるべきところはきちんと認めた上で、上記のような結論に至っているのである。

本書を批判するのであれば、本書があげてきた各種データに基づいて、批判を組み立てるべきであろう。
何と言っても、本書があげている各種データは政府が普通に公開しているものばかりなのだから。

本書は、いざなみ景気の劣化版(円安でも一部製造大企業の輸出価格の上昇で特定企業利益が増加しても、全体として輸出は増加せず、逆に本来の日本の主要輸出品である機械製品の輸入増加が、輸入インフレを引き起こしており、尚かついざなみ景気と同様に賃金は一部建設大企業を例外として上昇していない)であるアホのミクスが富の分配において致命的に失敗していることを如実に証明しています。2013年4月から始まったグリーンスパンの失敗した異次元緩和の安倍による焼き直し版が、5月に即成長率を低落させた以降、低成長率を辛うじて維持していたのは、バラマキ政府支出と増税前の駆け込み需要にすぎなかったのです。アホのミクスの成果として喧伝されているものは、実はアホのミクス自体に起因するものではありません。

一言で言えば、トリクルダウン提唱の元祖レーガン政権以来アメリカの中間層の所得が停滞しているように、日本の全労働者の月別勤労給付が減退し続けていることからトリクルダウン理論は、いざなみ景気の時同様虚偽ですし、日銀の借金札による経団連大企業株へのバラマキ(日銀が他の民間大銀行から国債を大量に購入し、銀行に主要大企業への貸し出しや経団連企業への投資を行わせているし、政府も公共事業という建前で無駄な建設事業を発注してバラマキをしている)によって、実体経済から乖離した癒着経済として株価だけが人工的に吊り上げられてきただけです。

安倍のアホのミクスはさらに、円安や規制緩和(各種国内産業/労働者保護の廃棄)で海外企業の日本買収に有利な手を貸しているのです。

つまり、安倍は本来のあるべき経済(経世済民)政策を何もしていないのです。

では、ネオリベラリスト安倍の嘘だらけのアホのミクス「成長戦略」の正体とは?

服部氏は消費税増税の本質的構造にも言及しつつ以下の如く簡明に日本の実態経済の現状を分析されています。ここでは、現状分析と一般的原則論の対比がなされながら論述が展開されている点に留意しなくてはいけません。

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