「自由」はいかに可能か―社会構想のための哲学 (NHKブックス No.1218) の感想

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タイトル「自由」はいかに可能か―社会構想のための哲学 (NHKブックス No.1218)
発売日販売日未定
製作者苫野 一徳
販売元NHK出版
JANコード9784140912188
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 哲学

購入者の感想

「『自由』に生きたい。そう思わない人が、読者の中にいるだろうか?あえて断言するところから始めたい。
―そんな人は、まずいないはずである、と。」
著者の苫野一徳は本書の冒頭でこのような問いかけを置く。

「自由」を論じる苫野の〈戦略〉は極めておもしろい。それは以下のような順番をとる。

’1 若い世代の感性への応答
「自由」であることはすばらしいことか?むしろ苦しいことではないのか。
何でも選べるという現代社会の中で、なぜ私たちは何も選べずに苦しむのか。
むしろ「動物化」「隷属化」「新たな大義」に身を任せる方が重要なのではないか。
つまり、人間的自由は人間の実存にとって不必要なのではないか。
このような実感を持っている〈若い世代への応答〉。

’2 自由の表象の破壊
「自由」のイメージはどんなものであろうか。
「因果からの自由」「恣意としての自由」「解放としての自由」
さまざまな表象が「自由」に付着している。
苫野は、これらのイメージをまず破壊する。

’3 現象学的アプローチ
では、「自由」の本質と何か?
苫野は現代政治哲学の権威であるロールズ、サンデル、ローティをそれぞれ
明解に論じながら、その方法上の難点を指摘する。
この指摘は既に苫野一徳「社会構想のための現象学的アプローチ」(岩佐茂、金泰明編『21世紀の思想的課題 転換期の価値意識』国際書院、2013年。所収)でも示されているが、その議論の展開形が本書の第四章である。
では、著者自身の考えはどのようなものであろうか。
それは「現象学的アプローチ」と苫野によって定位される。
「現象学的アプローチ」はエトムント・フッサールの本質観取という方法を、哲学者である竹田青嗣の欲望論、
また構造構成主義の提唱者である西條剛央の「志向相関性」「関心相関性」の議論を組み立てながら、
苫野が再定位した思考の方法である。

苫野の議論は上述のように若い世代の感性の応答、自由の表象の破壊、現象学的アプローチなど

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