名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366) の感想

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参照データ

タイトル名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)
発売日販売日未定
製作者中野 京子
販売元光文社
JANコード9784334034696
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

購入者の感想

 本書を彩る美しいアクセントとして大きく取り上げられた絵画は、次の十二点。
◆アルブレヒト・デューラー『マクシミリアン一世』(1519)
◆フランシスコ・プラディーリャ『狂女フアナ』(1877)
◆ティツィアーノ・ヴィチェリオ『カール五世騎馬像』(1548)
◆ティツィアーノ・ヴィチェリオ『軍服姿のフェリペ皇太子』(1551頃)
◆エル・グレコ『オルガス伯の埋葬』(1586頃)
◆ディエゴ・ベラスケス『ラス・メニーナス』(1656)
◆ジュゼッペ・アルチンボルド『ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世』(1591頃)
◆アドルフ・メンツェル『フリードリヒ大王のフルート・コンサート』(1852)
◆エリザベート・ヴィジェ=ルブラン『マリー・アントワネットと子どもたち』(1787)
◆トーマス・ローレンス『ローマ王(ライヒシュタット公)』(1818縲鰀1819)
◆フランツ・クサーヴァー・ヴィンターハルター『エリザベート皇后』(1865)※表紙・帯の絵は、この一部分
◆エドゥアール・マネ『マクシミリアンの処刑』(1868)

 血なまぐさい政争と陰謀。血族結婚による、異様なまでに濃縮された血の呪い。運命的な政略結婚の裏に、黒々と広がる深い闇。ハプスブルク王朝六百五十年の栄枯盛衰の歴史の陰で、そうした負のスパイラルに翻弄された人たち。フェリペ二世、マリー・アントワネット、ライヒシュタット公、エリザベート、マクシミリアン etc.etc. 彼らの悲劇的な人生が、目の前に彷彿と浮かび上がり、廻り燈籠のごとく展開する妙味が、本書にはありました。
 頁をひもといていくうちに、いつしか、光と翳に満ちたハプスブルク王朝の歴史のタペストリーに絡めとられ、くらくらと眩暈する心持ちになっていましたね。流石、『怖い絵』『危険な世界史』の著者だけのことはあります。読んでいて、ぞくぞくしてきました。

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光文社から発売された中野 京子の名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)(JAN:9784334034696)の感想と評価
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