日本の論点 の感想

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参照データ

タイトル日本の論点
発売日販売日未定
製作者大前 研一
販売元プレジデント社
JANコード9784833420624
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

大前氏の指摘は、一々が一々、もっともであると思う。
確かに、挙げた論点は、すべて「日本の論点」であるし、提示しているソリューションも、その通りである事は認める。
しかしながら、その一方で、この本を読んで、20年前から、大前氏の著作を読み続けている、アラフォーの私には、彼の限界も分かった気がする。

要は、大前氏の回答は、正しすぎる!
個別の論点に対するソリューションに対して、具体例を挙げて、反証する事はできない。
なぜなら、氏の見解は、圧倒的に正しいから。
ただ、「こうして、あーすれば、こうなる筈。」と言う、三段論法は、「すべての経済現象は、微分方程式で説明できる。」と主張する、近代経済学者と同じで、書生論である事も否めない。

ビジネス界も政界も同じである筈だが、世の中は、三段論法では動かない。人間の嫉妬心、恨みつらみ等の、「恥ずかしい感情」が、国家を含めた組織を、動かす原動力である。
そうした、人間の「悲しいサガ」を無視して、「こうすれば、解決する。これが、正解!」と主張してもねえ。。。。
30代中盤位までは、大前氏の絶対性を信じていたが、40を過ぎた私には、「恋愛なんて、3次関数の方程式だ。」とかを公言して、得意になっている、
ガリ勉の高校生に重なって見えます。

確かに、大前氏のソリューションは、「圧倒的な正解」であるのだから、一つのベンチマークであることも事実であるので、無視はできない。
ただ、「そうは言っても、人間は、そう簡単じゃないだよ。」と言うのが、「世の中を良く知る大人」の感覚であると思う。
別の言い方をすれば、「あれはダメ。これもダメ。」とダメ出しをされても困る。
「色々な事が、全くダメな事は、指摘されなくても、分かっている。でも、そういう落第点の世の中を、長期に渡って、コンセンサスを取りながら、少しずつでも改善してゆくのが、民主主義の本質だ。」と言うのが、思慮深い社会人の一般的な思想だと思う。

大前氏の指摘は指摘として、頭の片隅に置きつつも、もっと、人間のドロドロした所を、心で感じながら、「現実的な解」を出すことが必要でしょうねえ。。。

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