When I Look in Your Eyes (Sl) の感想

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いいですねぇ、溶けてしまいそう。とりあえず聴こうと、出勤時に聴いていましたが、そのままUターンしそうになりましたよ。「頭悪いから帰ります」とか、電話して、、、

少しハスキーで、少し低音の大人の魅力です。完全にリズムに溶け込んで、中身はトロトロに溶けそうなラブソングだから、妄想まで頭の中に広がって、わあどうしよう、好きにしてぇって感じでしょうか。ジャズらしいコード進行で奏でられるメロディも魅力的。歌詞は英語です。
エルヴィス・コステロの奥さんというのは、絶対に信じられない。音楽的には全く真逆なものを感じるのは私だけでしょうか。といっても、最近はラブソング的なものも出しているみたいですね。昔のキレッキレッしか知らなかった。

これを購入したきっかけは、音響技術者？の木村哲氏のサイトに、レファレンスCDとして紹介されていたから。中域のバランスを見るのに良いのだとか。まあ、その前提には音が良い、音楽が良いという前提があるわけで、思わずポチってしまいました。

『Why Should I Care』　このアルバムの最後に唄われる曲なのですが、とてもいいです。ある意味、哀しいくらいに理知的なひとりの女性がいます。彼女は十分に分かっている。時は流れていくものだし、世の中には絶対と言えるものはないし、何かが変わっていくのに大した理由などなかったり･･･することも･･･　けれど、Que sera sera なるようにしかならないと唄えてしまえるタイプじゃない。何故なら、分かっているの。分かっているのだけど、いまだにあなたの心配をしたり、あなたのこれからのことを想ったりしている。･･･　Why Should I Care　私がそんなことを心配してどうするの？　･･･　私はちゃんとそんなことは分かっているの。･･･
そんなニュアンスで唄う彼女に付かず離れずに寄り添う音たちがまた絶妙です。彼女の背中を押してみたり、彼女の髪を撫ぜてみたり、頬をつついて見たり･･･　しかも、そんなちょっかいの出し方が、キュートで、ロマンティックで、エレガント。間奏から現れ、彼女の手をとり、身体をささえ、やがて、彼女の背中をそっと押しだすようなニュアンスのピート・クリストリーブのサックスの音色のなんて紳士的なこと。終盤では彼女に対して紳士的過ぎたことを悔やんでいる紳士の哀愁までをも表現してみせてくれているようです。　一人でも多くのひとに聴いてもらいたいと思います。