西日本人物誌(20) 柳原白蓮 (西日本人物誌 20) の感想

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参照データ

タイトル西日本人物誌(20) 柳原白蓮 (西日本人物誌 20)
発売日販売日未定
製作者井上 洋子
販売元西日本新聞社
JANコード9784816708336
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

突如こういう人が現れて社会を賑わせたのではなく、時代の変化のなかで「この時代を象徴するような」人物であり事件であったことがわかりました。

女性の解放、目覚め。封建的な古い価値観が崩れていく。家族制度や身分制に人々が息苦しさを感じていた。特に女性は解放されたかった。民主化への流れ。社会主義的な思想も入ってきて。

華族というと恵まれているようだけど、そのぶん平民よりずっと縛られて窮屈な生き方を強いられていた。

天皇家とも繋がる華族の令嬢が、身分の低い成金と結婚したり、社会主義の若者と愛に走ったり。ものすごく時代背景と結びついた、まさに時代を象徴する人物&事件だったんですね。

よりこの時代の空気を知るために、映画やドラマなどを観たくなりました。

 柳原白蓮の名前は、白連事件で以前から知っていましたが、NHK朝の連続ドラマで仲間由紀恵扮する葉山蓮子の柳原白蓮をあらためて読みました。入門書としていいと思いますし、歌人としての女史も知れます。そのスキャンダラスで名前が知られている柳原氏ですが、歌人としての研究も進めばいいと思います。そもそも、そ白蓮事件も、平成の世から見れば、政略結婚自体が、愛のない金で売られた女性の悲しい運命に逆らった勇気ある行動なのです。

 再度読み直した。最初に速読した時の評価を上方修正したい。

 テレビドラマのブームの前に出版されていた「白蓮本」のひとつ。

 出生から晩年にいたるまでの生涯を、彼女の歌とともにたどってゆく。文章も練られていて、朗読してもいいくらいだ。

 過去、柳原白蓮を扱った著作は多数あるが、その解釈は、当時、週刊誌もどきのゴシップ記事で商売にしていた朝日新聞の「スクープ」の解釈によったものが多く、事実を学ぶにはあまりにも偏り過ぎていた。
 つまり、朝日新聞が誘導したように、「皇族につながる女流歌人の白蓮が、姦通罪を恐れず、学生と駆け落ちし、旧弊の代表者たる、伊藤伝右衛門のもとを去った」という画一的な認識を強いる。

 白蓮の側(=当時の朝日新聞の論法)に立ち、論じる。そういう本が多かった。

 この著作は、そんな「白蓮本」とは、異なる。彼女の歌を通じて、彼女の気持ちを再現しようとする試みにも共感するが、男として「嫁さんに逃げられる」というとんでもない恥をかかせられた伊藤伝右衛門の側にも踏み込んで、きちんと章を割いている。

 著者自身が、伝右衛門が活躍した福岡の九州大学に学んだこともあるだろう。地元の言い分、被害者の立場にも立ってみようではないか。そうした平衡感覚が行き届いている冷静な本だと思う。

 とてもバランスが取れた「白蓮本」だと思う。彼女の生涯を知りたいと思う人の入門編として、この一冊を強く勧めたい。

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