かぐや姫の物語 [Blu-ray] の感想

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参照データ

タイトルかぐや姫の物語 [Blu-ray]
発売日2014-12-03
監督高畑勲
販売元ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
JANコード4959241754820
カテゴリDVD » ジャンル別 » キッズ・ファミリー » キッズアニメ・映画

購入者の感想

昔、映画は「芸術か?娯楽か?」などと語られる頃もありましたが、それはハリウッドの黄金期、共産圏の国策映画期、映画界が左団扇の時代にだったからでしょう。記録メディアの登場により映画館の集客率が大幅に減少し、苦肉の策で映画館をシネコン化している現在では映画はエンターテーメント性と高い収益率がないと作品化が難しくなっています。
そうした時代で高畑勲監督作品が作られるのは奇跡に近いかもしれません。スタッフの苦労も如何ばかりかと思われます。

高畑作品は「となりの山田くん」以来の14年ぶりですが、山田くんは製作費20億円をかけて、収益は7.9億円と厳しかったので、かつて「火垂るの墓」と「となりのトトロ」の二方面作戦?を行ったように、今回は宮崎作品「風立ぬ」で帳尻を合わせをすることで実現したのだと思います。

個人的には映画館で一番泣いた作品でした。(4回ほど泣きましたが…これは個人差があることでしょう。)
大泣きするというのではなく、自然と涙が流れてきます。
それもドラマチックな展開の場面でなく、野山で普通に子供たちが遊んでいるシーンなどでした。

本作は高畑氏の意向により本来のジブリスタッフの多くを起用せずに第七スタジオを立ち上げて独自の作成方法で作られています。
よってジブリ作品っぽさはありません。(まあ山田君もなかったけど…)

日本アニメの音入れは画像に合わせて入れていくアフレコ方式がメインですが、本作は逆に先に声優陣によりラジオドラマのようにすべての音どりをして、それに合わせて後から絵を作っていくというプレスコ方式を採用しているためにキャスト陣も絵の力に頼ることなく、ラジオドラマのような渾身の演技力が発揮されています。

特に竹とりの翁を演じる地井武男さんの迫真の演技には胸打たれます。
*劇場公開時には地井さんは惜しくも既に他界されていました。

本作は「生と死」の物語です。
また、高畑作品の代表作である「アルプスの少女ハイジ」を思い出させる作品でもありました。

観る人によって、また観る回数によって様々な感じ方が出来る作品でしょう。

☆日本人には馴染みの深いあの有名な最古の昔話『竹取物語』を日本アニメーション界の重鎮である高畑勲監督が独特の新解釈と芸術的表現で長編アニメーション映画化した渾身な力作。
竹の中から光輝く〈かぐや姫〉が生まれ、優しい老夫婦に献身的に育てられて瞬く間に成長して美しい娘に育ち、高貴な求婚者たちを次々と振ったあげく、満月の夜、迎えにきた使者とともに去っていく。という内容は改めて語るまでもないだろうが、コレはオーソドックスな作り方の詩情ゆたかな『竹取物語』であると同時に【水墨画色彩絵巻】と呼ぶべき格式美作品であり、単なる『竹取物語』の焼直しではない。
筆者が本作に感銘を受けたのは、日本古来の考え方と、童話や昔話的な要素を融合してデシタルやCGでは表現できない建物のつくりから小物、髪の結い方など、他作品なら見逃しがちな細かい部分にまで配慮して構成されている驚愕の世界観にある☆。

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