データサイエンティスト養成読本 [ビッグデータ時代のビジネスを支えるデータ分析力が身につく! ] (Software Design plus) の感想

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タイトルデータサイエンティスト養成読本 [ビッグデータ時代のビジネスを支えるデータ分析力が身につく! ] (Software Design plus)
発売日販売日未定
製作者佐藤 洋行
販売元技術評論社
JANコード9784774158969
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » IT » ビジネスとIT

購入者の感想

「データ・サイエンティスト」をキー・ワードにして、関連するスキルや技術について幅広く取り上げた本。大きくは、以下の5つのパートに分かれている。

・データサイエンティストの仕事術
・データ分析実践入門
・マーケティング分析本格入門
・Fluentd入門〜ログ収集から活用まで
・データ分析のためにこれだけは覚えておきたい基礎知識

心構え的な話は少なく、具体的に書かれていて参考になる。データ分析の潮流、ビッグデータ時代のインフラの話、Rでの統計解析、RStudio、Python、Fluentd、データマイニング用のアルゴリズム、ソーシャルメディアを使ったネットワーク分析といった、幅広い内容が盛り込まれている。SQL入門のような基礎レベルもある。内部データだけでなくソーシャルメディアをはじめとする外部データも取り込んで両者を合わせて活用する昨今の潮流に沿っている。多くの人の原稿をひとつに集めたものなので、テーマもレベルもそれぞれで異なっているが、その分、網羅性は広い。

内容はごく初歩的なもので、各テーマについて深く踏み込んだ内容はない。章によっては、分析手法について名前を上げているだけで、説明の体をなしていない。(逆に混乱する。)したがって、これを読めば実務に役立つレベルのスキルが身につくということはなく、そこは各々自分で補って行かなければいけないので、専門書など次へのステップアップのための助けとなる文献リストなどをもう少し充実させても良かったのではないだろうか。データサイエンティストにどのような知識や役割が求められているのか、概観するには役に立つかもしれない。

最近、データサイエンティストがブームで「データサイエンティスト完全ガイド (日経BPムック)」みたいな
「なんかもやもやしてるけど分かった気になれる」便乗ムックが多く出版されています。
本書はそういうこともなく、書かれていることを理解すればきちんと現場に持ち帰れる内容になっています。
執筆者がブレインパッド・ドリコム・サイバーエージェントなど、データ分析で十分に実績のある企業に所属しているのも安心感があります。

主な内容としては、比較的少量のデータに対して統計量を計算したり、グラフや散布図・箱ひげ図で可視化したりといった
分析技術者が結論を導き出していく過程を、RやPythonといった実際のツールを動かしながら紹介しています。
日本語の情報は少ないのですが、PythonはRのようなデータ分析に有用なライブラリが豊富で、Rと連携するライブラリもあります。
このあたりの情報は、読んでてありがたかったです。

また、Excelに関する言及やスクレイピング・Fluentdの記事など、現場で手を動かしている分析技術者には痒いところに手が届く内容になっています。
ただ、本書の内容だけでいわゆるデータサイエンティストになれるかは謎です。
(データサイエンティストはHadoop使ってビッグデータ分析する人って説もあるようですし、、、(笑))

もう少しビジネス寄りの観点の「会社を変える分析の力 (講談社現代新書)」も併せて読まれることをおすすめします。

データサイエンティストに求められる能力は主に3つあるが、本書の場合、
 1.IT的内容 30%
 2.分析的内容 60%
 3.ビジネスよりの内容 10%
といった感じで、特に分析(統計解析・データマイニング)に詳しい。
データサイエンティストとして分析力に自信のない人や詳しくなりたい人には最適である。
内容は分かりやすく書かれているが、ある程度統計分析のリテラシーがあることが前提になっている。
1に詳しい人が2について学ぼうとする際はとても便利な本であるが、3から入って2に行こうとする人には1の内容が多いのがちょっと残念。
私はまさに3から2の人なので、星は4つにしました。
またRを前面に出しているが、3から2の人は、SPSSやSASなど、GUIツール利用が多いと思うのでその点も配慮して欲しかった。
しかしデータサイエンティストを名乗る以上、Rは必須のツールになってきているので、SPSSやSASしか使っていない人も、Rを学ぶには良い本である。
特集2の各社のマーケティング分析事例も面白かった。
あわせて読むと良い本としては、河本薫『会社を変える分析の力』、古川一郎ほか『マーケティング・サイエンス入門』などが参考になるだろう。

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