謎の独立国家ソマリランド の感想

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参照データ

タイトル謎の独立国家ソマリランド
発売日販売日未定
製作者高野 秀行
販売元本の雑誌社
JANコード9784860112387
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

ページを1枚めくるたびに、そこには自分の知らなかったことが書いてあるーー
これこそが読書体験の醍醐味だとすれば、本書は(比喩ではなく)全ページに「驚くべきこと」が記された、
脅威のハイパーエンターテイメントノンフィクションといえる一冊。超大傑作。

高野秀行さんのノンフィクションが(いい意味でも悪い意味でも…いや、やっぱりいい意味で!)どれも極めて「小説的」なのは、
圧倒的に魅力的なご本人の人柄から生み出される軽妙な筆致に加え、読者の想像を軽々と超える出来事が不思議なほど次から次へと巻き起こるからだろう。
本書でもその持ち味はいかんなく発揮されている。…というか、今回、「未知の探索」場所として選ばれた、
謎の独立国家にしてハイパー民主主義国家ソマリランド、海賊国家プントランド、戦国南部ソマリアにおいて、
「高野ノンフィクション」の真髄は完全に爆発した感がある。
(ノンフィクション作家の石井光太氏が「この作品で高野秀行さんは「超人」の領域に入ったと感じた。本気で」と書いてたけどまさにそんな感じ)

なにしろ、著者を乗せた車が銃撃されたことがエピローグでさらっと書かれるくらい(普通はそこをクライマックスにしたくなるでしょ…)、
びっくり箱をひっくり返したような驚天動地の出来事、事実、会話が500ページにわたって繰り広げられるのだ。
それこそ、これだけポップかつ内容の濃い本にはもう二度と出会えないのではないかと不安になる。
とにかく、本を読む醍醐味を少しでも知っている人には至福の読書時間になること請け合い。

以下は、これだけ絶賛されててもその分厚さや価格からまだ読むのを躊躇っている人のためのメモ(書評の数々)。
http://www.webdoku.jp/newshz/zasshi/2013/05/14/142547.html0

ルポルタージュといってもいいし、探検記といってもよい。冒険・政治経済・安全保障・国際問題・民族問題・海賊問題などさまざまなテーマが詰め込まれ、500ページほどの本がすいすい読める。

崩壊国家として名高いソマリアを北から南下。国際的には未承認ながら平和な独立国家としての体裁を整えるソマリランド、海賊の拠点プントランド、そして著者いうところのリアル北斗の拳、南部ソマリア。筆者はソマリ人とともにこれら「3カ国」をめぐる。国際的には1つの国ながら複数の国。治安状況もそこに住む人々の気質も異なり、それぞれにエピソードが詰め込まれている。そして著者は徐々にソマリアにのめり込み、おそらく世界的にもまれな外国人のソマリア専門家になっていく。

産業は何もないながら不思議と通貨が安定しているソマリランドではいきなり大統領を紹介される。市場には両替商が無防備に札束をごろごろ頃がしている。そして海賊を「雇う」ことができるプントランドでは「海賊」にインタビューする。中央政府が存在せず、20年も戦闘が続きながらなぜかライフラインはきちんと運営されている完全民営化社会、南部ソマリア。決して足を踏み入れることはない(踏み入れられない)地域だけに興味が尽きない。普通の胆力では取材すらおぼつかない。著者の胆力とソマリアの魅力に乾杯。近来まれにみる上質のルポだと思う。遊牧都市ハルゲイサ、分断都市ガルカイヨ、戦国都市モガディショなど都市名と著者が付したニックネームも彩りを添えている。

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