破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた の感想
参照データ
タイトル | 破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | フランク ライアン |
販売元 | 早川書房 |
JANコード | 9784152091901 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー |
購入者の感想
ウイルス研究を専門にしているものとしては、進化の促進力としてのウイルスという内容要約を見た瞬間、
今更、そんな考えどこがあたらしいのかね、と斜に構えてしまった。
ハロルド・ヴァーマスとマイケル・ビショップのprovirus theoryの焼き直し版ではないかと感じたからだ。
まず内容についてだが、参考文献は一般的に高級紙と呼ばれる雑誌を中心に論文が引用されている。
すなわち、信頼性の高い情報を基にして議論がなされているという事である。
この結果浮かび上がってきた事実はおどろくべきことに、我々のゲノム上には、一般的に遺伝子と言われる機能遺伝子の実に6倍位以上の量の
内在性レトロウイルスとLTRが存在しており、それ以外のウイルスやトランスポゾン由来産物を加えると実に50%近くが外来のウイルス様の遺伝子情報で
構成されているということだ。
すなわち、ゲノムシークエンスで見る限り、我の生体構成情報の50%がウイルス様の遺伝子情報で構成されていることに成り、この事だけでも衝撃的である。
さらに、この内在性レトロウイルスの外突起蛋白質構成遺伝子を宿主が利用して、生体内での様々な生理現象に活用されているということである。
すなわち、ウイルス由来遺伝子はヒト遺伝子のコントロール下で宿主の機能遺伝子として働いているのである。
さらに、内在性レトロウイルスとLTRが相同組み換えやトランスロケーションに関わっている事例や、
様々な動物とそれをホストとするウイルスの例を紹介させられたあとで、
筆者の提案するウイルスと人が共生的に進化したという仮説は十分に妥当なものであると感じられた。
筆者は更に進化を推進する力として、それ以外の共生発生としてのミトコンドリアや葉緑体、さらに異種交配、エピジェネティクスと筆を進め
進化推進力研究のフロンティアを概括させてくれる。
研究者としては、ウイルスの部分は驚きであり(筆者がいうように極めて妥当な考えだと思うが、まっくそんな事に気づいていなかったよという感じ)。
今更、そんな考えどこがあたらしいのかね、と斜に構えてしまった。
ハロルド・ヴァーマスとマイケル・ビショップのprovirus theoryの焼き直し版ではないかと感じたからだ。
まず内容についてだが、参考文献は一般的に高級紙と呼ばれる雑誌を中心に論文が引用されている。
すなわち、信頼性の高い情報を基にして議論がなされているという事である。
この結果浮かび上がってきた事実はおどろくべきことに、我々のゲノム上には、一般的に遺伝子と言われる機能遺伝子の実に6倍位以上の量の
内在性レトロウイルスとLTRが存在しており、それ以外のウイルスやトランスポゾン由来産物を加えると実に50%近くが外来のウイルス様の遺伝子情報で
構成されているということだ。
すなわち、ゲノムシークエンスで見る限り、我の生体構成情報の50%がウイルス様の遺伝子情報で構成されていることに成り、この事だけでも衝撃的である。
さらに、この内在性レトロウイルスの外突起蛋白質構成遺伝子を宿主が利用して、生体内での様々な生理現象に活用されているということである。
すなわち、ウイルス由来遺伝子はヒト遺伝子のコントロール下で宿主の機能遺伝子として働いているのである。
さらに、内在性レトロウイルスとLTRが相同組み換えやトランスロケーションに関わっている事例や、
様々な動物とそれをホストとするウイルスの例を紹介させられたあとで、
筆者の提案するウイルスと人が共生的に進化したという仮説は十分に妥当なものであると感じられた。
筆者は更に進化を推進する力として、それ以外の共生発生としてのミトコンドリアや葉緑体、さらに異種交配、エピジェネティクスと筆を進め
進化推進力研究のフロンティアを概括させてくれる。
研究者としては、ウイルスの部分は驚きであり(筆者がいうように極めて妥当な考えだと思うが、まっくそんな事に気づいていなかったよという感じ)。