原子炉の暴走―臨界事故で何が起きたか の感想

原子炉事故についてはこの度の震災で知らずうちに覚えてしまった。
それでも、本書を読む事は原子炉の基本を押さえる点で重要だと思う。

原子炉を愛する著書によるチェルノブイリまでの原子力発電所の事故を網羅した本書は、
いま福島で起きていることを見るうえでも欠かせないと思う。

正しく知るためには本書は欠かせない一冊だ。
原子炉の基本的な仕組みを知るには本書は大変に有用である。

日本にある実験用原子炉では制御下においた
人為的な臨界事故を何度も起こしている、
そういう研究をしている。

この地震と事故は、戦後生まれの僕たちにさえ
先の大戦後の焼野原と戦争中の混乱を知る切っ掛けになった。

この事故がこの国の残したものは、放射性物質の影響を受けた大地だけの問題ではなく、
精神的な点でも大きいように思われる。

著書の手になる、福島第一原子力発電所の事故について
解説した本書の第三版が出版されたなら僕はきっと買うだろう。