吹いて覚える演奏テクニック リコーダーが上手くなる方法 の感想

「リコーダーを始めたい！」「リコーダを続けているけれどもっと上手くなりたい！」という人に、何が大切なのかを教えてくれます。私は長年リコーダーを練習してきましたが、行き詰まりを感じていたので、「こんな本を待っていた！」と飛びつきました。

目次を開くと、基本から始まり上手に吹くコツまで、惹かれる見出しが並んでいます。
たとえば、「音に表情をつけよう」「声帯をコントロールするには？」は私がまず開いたページ。難しそうな内容も、日常的に何気なくしている動作に基づいて教示してくれるので、これなら出来る！と順を追って練習できます。

どこから読み始めても楽しめますし、大切なこと（呼吸、舌の位置など）は繰り返し書かれているので、その都度確認しつつ、基本がいかに大切かを理解できます。表題に「吹いて覚える演奏テクニック」とあるように、まずはリコーダーを手に取って、書かれていることを吹きながら試してゆくことで、自然と身体が覚えていくという練習が出来そうです。

長い指導経験を持つ方ならではの教える工夫からは、余すことなく伝えたいという熱意が伝わって来ます。さらに、著者のサイトまたは出版社のサイトで、掲載曲の著者による演奏を聴けるのも魅力です。

著者の「回り道をしないで済む教本……」の言葉通り、これからリコーダーを始める人がこの本を手に出来たらとても幸運ですし、私のように既に回り道をしている人にとっても、だからこそわかる気付きを与えてくれる一冊だと思いました。