勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント の感想

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参照データ

タイトル勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント
発売日販売日未定
製作者白石 康次郎
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492043653
カテゴリ » ジャンル別 » 趣味・実用 » 将棋

購入者の感想

 この本は、有名な将棋棋士である羽生善治氏と、かつてヨットによる単独無寄港世界一周を成し遂げた、日本を代表する海洋冒険家・白石康次郎氏との対談を収録したものである。タイトルにある通り、将棋という頭脳派のスペシャリストと海洋レースという肉体(行動)派のスペシャリストという、パッと見た感じでは全く 『極と極』 にある人物同士の対談に思える。しかし、本書を深く読み解いていくと、結局勝負に対する本質のところでは、両者は非常に共通している部分が多い事が分かる。
『勘とか見切る力というのは、真剣勝負の中でしか維持できない』 『どうしようかと迷うくらいなら、やらないほうがいい。やるときはもう、やっちゃってるはずなんだから』 など、一流の勝負師同士で勝つためのセオリーが惜しげもなく披露されているところが、本書の魅力でもある。しかし私としては、それ以上に素晴らしい点として別のポイントを挙げたい。最終章において、白石氏がこう語っている部分だ。

『…すべてやり尽くして、満足して、明るく晴れやかな、そういう心境になってみたいなぁ。羽生さんは将棋の世界で、僕は海の世界でね。大切なのは、自分でやってきたことを人生訓にまで高めなければならない。じゃなかったら、自分勝手で終わってしまう。羽生さんは将棋強かったね、で終わっちゃうし、僕はヨットで世界一週したね、で終わってしまう。(中略)…四十歳を越えて初めて、天命というか、自分のやるべきことっていうのが見えてきた気がします。自分の生まれてきた意味は、ヨットで誰よりも速く走ることでもないし、有名になることでもない。きっと、みんなを明るく元気にすることなんだ。振り返ってみると小さい頃から今まで、僕のやってきたことって、全部それなんだよ』

 この言葉は、人間はなぜ生きているか、という本質的な問いに対するひとつの答えであろう。人は他者を幸せにするために生きることができる。それが巡り巡って、結局は自身の幸せにつながるのだ。
 二人は最後に、それぞれ今の子どもたちに贈りたい言葉を紹介している。
 白石氏は 『素直に真っ直ぐ。』
 羽生氏は 『自分を裏切らない。』

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