リフレが日本経済を復活させる の感想

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参照データ

タイトルリフレが日本経済を復活させる
発売日販売日未定
販売元中央経済社
JANコード9784502478208
カテゴリ »  » ジャンル別 » 投資・金融・会社経営

購入者の感想

本誌の発売から数日後、恐らく先々経済史に語り継がれていく「政策レジーム転換」がありました。日銀総裁に就任した黒田氏と、本書の筆者でもある岩田副総裁による本気の金融緩和政策の発表です。
内容は各共著者によるリフレ政策の小論文集といったところでそれぞれの切り口が良くまとめられていて大変読みやすく、購入後2日ほどのちょうど、その会見があった前日に読み終わってしまいました。リフレ政策について知りたいことの要旨がほとんど詰め込まれているような本です。
 一つ一つの章はどれも論理的かつ編集の並びもよく考えられていると思います。「リフレってなんだろう?」という人にもぜひおすすめしたい本です。なんせ、現在安倍総理の経済アドバイザーである浜田宏一氏と日銀副総裁である岩田規久男氏が中心となって書かれているんですから。
 本書の著者の方々は、長いデフレ不況の日本の、特に日銀の金融政策の間違いについて経済論壇で戦われてこられた人達です。中でも感慨深く思うのは本書あとがきにありますが2010年に他界された故岡田靖さんの追悼の意味合いのものであることです。
 私は経済学に興味を持ってまだ1年程度の初心者でして、岡田靖さんのお名前も、ここ1年ほどで初めて知りました。ですから生前の事は存じ上げませんが、思うにこれも岡田さんのお考えなのでしょう、いちごBBS(岡田さんは「銅鑼さん」だそうです)はDATおちがないので、経済板をみてみるとその議論を今でも追って読むことができ、大変勉強させていただきました。
今回の日本銀行によるレジーム転換(政策の方向性が大きく変わる事)に岡田靖さんの影響がなかったとは思えません。本書はその意思を継ぐ方々の書かれたもの。浜田宏一さんも岩田規久男さんも岡田靖氏に影響を受けたと書かれています。
「実は彼のリフレ的世界観、つまり世界のマクロ経済学の標準的視点から見ようとする考え方が、しばしば、岩田教授だけでなく、安達誠司氏等多くの仲間を導く役割をしていたことを後で知った。私もその受益者である。」(浜田宏一氏。あとがきより)
 くしくも本日4月10日は氏の命日だそうです。つい先日までお名前も知らなかった私ですが、それを恥じながら心の中で合掌させていただきます。

初歩的な経済学を修めた方には、久々に、圧倒的な読後感が味わえる一冊である。特に、第3章、6章、8章は標準的な現代経済学の到達点の一端に触れることができる。9人の方の共著で1人当りの分量は少ないが、ポイントをついた説明と主張で、各章とも卓越した内容である。

価格決定のモデル式は、世界中で多数の学者が発表しており、様々な独立変数が使われているので峻別は難しいが、本書の多様な説明を勝手解釈で極めて単純にまとめると、物価決定の仕組は次のように分解できる。

一般物価の水準 ≒ (1)需給ギャップ + (2)通貨供給量(マネーストック)+ (3)貨幣の流通速度

(1)一般的なモノやサービスの価値(価格ではない)は、総需要と総供給の多寡(需給バランス)で決まる。
(2)決定された価値を表すには尺度(単位)が必要である。ここで初めて貨幣が登場し、価値の基準としての役割を果たす。貨幣が持ついくつかの機能の中で、この価値尺度の基準としての機能は最も基本的なもので、ワルラスはニューメレールと呼んだ。モノやサービスが貨幣と相対する比率が、物価に相当する。相対する交換比率なので、モノやサービスの量に比べて貨幣の量が増えれば、物価は比例して上昇していく(但し、(1)と(3)が一定の条件下)。
(3)物価の変動要因は、貨幣がどの程度の速度で回転しているかにも依存する。一定の期間内に多数の取引を行おうとすれば、貨幣量が決まっていれば複数回使い回さなければならないので、資金需要は増加し価格は上昇する。現在のわが国は、逆に貨幣の流通速度が非常に低迷しており、企業や家計は、ほとんど流通していない死蔵した貨幣がだぶついている状況である。

(1)は(実質GDP − 潜在GDP)/潜在GDP(%)、(2)はマネーストック(例えばM3)対前年比伸び率(%)、(3)は名目GDP/(M2+CD)の対前年比伸び率(%)の使用を仮定。
上式の右辺の合計が、マイナスならば、デフレとなる可能性が高いことを表している。換言すれば、右辺の合計がプラスになる政策をとれば、デフレから脱却できることになる。

経済学は実務とはかけ離れており、漠然とした学問で、いろいろ本を読んで見ても、やはり漠然としたことしか書いてなく、実際はどうなるのかが分からずにいた。しかしこの本は大学などで経済を勉強したことが現実と照らし合わせてこうなる、こうなるだろうと書いてあり、非常に良かった。特にマンデルフレミングモデルの解説が良かったと思う。日々の経済の新聞記事や経済のニュースが理解できるような本ではないかと思う。

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