国際関係私法入門 第3版-- 国際私法・国際民事手続法・国際取引法 の感想

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タイトル国際関係私法入門 第3版-- 国際私法・国際民事手続法・国際取引法
発売日販売日未定
販売元有斐閣
JANコード9784641046597
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 国際法

購入者の感想

本書(第3版)は、国際民事手続法に関する改正(2010年、2012年)に対応した、国際私法のテキストです。同様の対応をしているのは、他に、(1)横山潤『国際私法』(三省堂、2012年)、(2)澤木敬郎=道垣内正人『国際私法入門〔第7版〕』(有斐閣、2012年)、(3)神前禎ほか『国際私法〔第3版〕』(有斐閣、2012年)、があります。

改訂により、3版では、判例を1件(絶対免除主義を判示した大決昭和3・12・28)削除して9件追加し、本文が14頁増えています。なお、上記文献(1)〜(3)すべて、大決昭和3・12・28を引用しているので、本書だけがなぜ削除したのか不明です。

はしがきによると本書の特徴は、
(1)国際私法、国際民事手続法、国際取引法という3つの法分野のほぼ全体を網羅
(2)初学者の大学生を主たる対象として、基本事項をできる限り分かり易く記述
(3)各節の冒頭に、原則として設例を置くことにより、具体的な理解を可能にする
という点です。読んでいると、特に、初心者にとっては、設例があることによって、抵触法という国際私法の特質を具体的にイメージし易いだろうと感じます。

現在、どの「国際私法」の書籍も国際民事手続法の記述はありますが、国際取引法、特に、ウィーン条約の発効(2009年。2版で掲載済み)及びインコタームズ2010(3版で追加)まで記述しているのは、上記(1)〜(3)の中では本書だけです。この点で、初学者以外や資格試験にも有用でしょう。

しかし、本書の悪い点は、(1)総論の記述を減らして各論を充実させる方針とはいえ、総論として必要な記述が欠けていること(例えば、「法律回避」は8行だけ、「反致」の種類の説明が殆どない等、初学者が本書のみで総論を適切に理解できるか疑問です)、(2)国籍法への言及が少な過ぎること(例えば、認知による国籍取得に関する最高裁平成20年6月4日判決は重要と書いておきながら、「認知による国籍取得」の説明自体がありません)、です。

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