Great Expectations の感想

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タイトルGreat Expectations
発売日2012-05-12
製作者Charles Dickens
JANコード登録されていません
カテゴリLiterature & Fiction » Authors, A-Z » ( D ) » Dickens, Charles

Great Expectations とは

ツꀀツꀀツꀀディケンズは、『Great Expectations』(邦題『大いなる遺産』)を自作の「小品」のひとつと考えていた。事実、『David Copperfield』(邦題『ディヴィド・コパフィールド』)、『Nicholas Nickleby』(邦題『ニコラス・ニクルビー』)などの重量感のある作品と比べると軽めな作品ではある。これは謎の恩人のおかげで元の身分から高い階級に引き上げられる少年を描いた教訓物語だが、長さで不足している分については、驚くべき登場人物の面々と魅惑的なストーリーによって埋め合わせがなされている。

ツꀀツꀀツꀀ小説の冒頭で、孤児の少年フィリップ・ピリップ―― 通称ピップ―― は墓場でひとりの脱獄囚と衝突する。この恐ろしい脱獄囚はピップを脅して食べ物とやすりを盗んで持ってこさせる。もしもピップが一言でも他人に口外したら、「おまえの心臓と肝臓をえぐり出して焼いて食べてやる」というのだ。ピップは言われたとおりにするが、脱獄囚は捕らえられ、オーストラリアの犯罪者植民地へと送還される。

ツꀀツꀀツꀀ墓場から小説を始めたディケンズは、急にそこを離れて主人公をミス・ハヴィシャムのひっそりとした家へと向かわせる。ミス・ハヴィシャムは、裕福だが少し頭のおかしい女性で、何十年も前に結婚式の日に恋人に婚約破棄されて以来立ち直れないでいる。ピップは、ミス・ハヴィシャムに養育されるエステラの遊び相手としてそこに連れて行かれる。エステラはまだ幼いが、ピップのごつごつした手や鍛冶屋見習をする境遇を言い立てて彼をいじめる。


ツꀀツꀀツꀀそれは、ある意味ではピップが二度と回復できない「伝染病」だった。ミス・ハヴィシャムやエステラにじらされて過ごす時間が増えてくると、ピップは後見人である親切な鍛冶屋のジョーや幼な友だちのビディに不満を抱くようになる。数年たってピップが名前も知らない恩人の遺産相続人となったとき、彼はこの機会に乗じて今まで暮らしたこの地と友人を捨ててロンドンに出て紳士になろうとする。しかし、遺産を相続するというのは、諸刃の剣のようなもので、期待とは相当違うことを悟る。

ツꀀツꀀツꀀかの小品『A Tale of Two Cities』(邦題『二都物語』)もそうだが、『Great Expectations』はいつものディケンズ作品とは違う。ストーリーは暗く、ときに現実離れしていて、作者の得意なコミカルな登場人物とかコミカルな仕掛けもほとんど見当たらない。それでも、これは間違いなくディケンズの小説中最も魅力的なものである。ディヴィド・コパフィールドやマーティン・チャズルウィットとは違い、読んでいてもピップにとって物事がうまくいくとはとうてい思えない。ディケンズ本人も自信がなかったらしく、この小説には2種類のエンディングを書いた。

購入者の感想

ピップ少年には両親がいないので、かわりに20歳ほど年のはなれた姉が面倒を見てくれています。姉にはジョーという名の鍛冶屋の亭主がいます。姉はピップに対し「私が育ててやった!!」というのが口癖でジョーに対してもいつも高圧的な態度をとってばかりいます。そんな環境の中ジョーはピップをとても大事に可愛がってくれます。ジョーは自分では自分のことを学がないとピップに対し謙遜しますが彼の発する言葉は意味深いです。それはジョーが人生の中で自分の頭で考え生きてきたからこそ出てきた言葉なんでしょう。「If you can’t get to be uncommon through going straight, you’ll never get to do it through going crooked. Pip,live well and die happy」ジョーの言葉の中で私が特に感動した言葉です。作品の中では他にもいろいろな人が登場します。それぞれが、「こんな人身近にいるな」「あの人に似てるな」と思えるような人ばかりです。自分をいかに有能に見せるかだけしか考えていない人。お調子者の人。思わず笑ってしまうシーンがたくさんあります。月日は過ぎ、ピップはある人の好意で遺産を得てロンドンに行くことになりました。いつもピップのよき理解者であり成長を見守ってくれた優しいジョーのことを、ピップは次第に忘れていくようになります。ジョーはピップのことを忘れないのに・・・。人が人に対し感じる愛情、友情、恩、虚栄心、恨み、そういったもの全てがこの1冊に入っています。この作品に出会って、ディケンズが何故時を超え人々に愛され続けるのかがわかりました。イギリス産業革命後の急速な社会・価値観の変化の中で書かれたこの作品。21世紀の今読んでも全然色あせていません。本当に偉い人とはどんな人のことなのか?それについて考えさせられる作品です。最後まで読み終わったときは深い感動に包まれました。もっと若いうちにこの本に出会っていたら良かったなぁと思います。

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