放射線医が語る被ばくと発がんの真実 (ベスト新書) の感想

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タイトル放射線医が語る被ばくと発がんの真実 (ベスト新書)
発売日販売日未定
製作者中川 恵一
販売元ベストセラーズ
JANコード9784584123584
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 原子力・放射線

購入者の感想

現役の内科医です。
福島原発事故による放射線被ばくについて専門的・科学的見地をまじえた良書です。

「チェルノブイリで確認された健康被害は小児の甲状腺癌だけ」
「事故の対処が遅れ半減期8日の放射性ヨウ素を牛乳から大量に摂取したことが原因(10Sv相当!)」
「福島で小児甲状腺癌が増えることはない(最大35mSv)」
「精神的ストレス、慣れ親しんだ生活様式の破壊、経済活動の制限といった事故に伴う副次的な影響の方が、放射線被ばくよりはるかに大きな損害をもたらした」
「100mSv以下の低線量被曝による健康被害は確認されていないという『科学的見地に立った基準』と、余計な被ばくによる不利益を公衆に与えないという哲学に貫かれた『放射線防護の基準』の違いを認識すべき」
などなど、原発推進でも反原発でもなく客観的事実に基づいた記述ばかりです。

まえがき文中の
「福島原発の事故以降、恐怖心を煽るような情報や発言が、文字通り怒濤のごとくテレビや出版物、インターネットに溢れ返りました。なかには専門家ではない人による、無責任なものも多数見受けられましたが、それらが人々の心に不安や先入観、または放射線に対する誤った理解を植え付けたといっても過言ではないでしょう。」
には激しく同意します。

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