犯罪心理捜査官セバスチャン 下 の感想

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参照データ

タイトル犯罪心理捜査官セバスチャン 下
発売日2014-06-27
製作者M・ヨート
販売元東京創元社
JANコード登録されていません
カテゴリ文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » その他の外国文学

購入者の感想

続編が出ることは間違いないと思う(もちろん続編が出てほしい)ので、安心して、遠慮なく書く。
面白い本である。そして、その面白さの重要な一つが、捜査チームの一員である主人公が、事件関係者の少年の母親(複数)と、あっさりとセックスしてしまうことにある。
しかし、捜査官が事件関係者の少年の母親と特殊な関係になってしまうと、捜査を混乱させ、自身に跳ね返ってくる部分も多い。それなのに、なぜ寝てしまうのか、十分な理由づけがなされていない。主人公は確かに女好き(素人女性ハント好き、女性征服好き)の設定にはなっているが、人格的にむちゃくちゃな人間とはされていないし、回りの迷惑お構いなしという設定にもなってない。(帯には協調性ゼロ、はた迷惑と書かれているが、これは宣伝であって、本文はそういう内容ではない)。むしろ、主人公は、津波で娘を事故死させたことを非常に悔いていて、自分の血を引く見知らぬ娘を必死で探し回るという、真面目、純情な設定にもなっており、そのことと、事件関係者の母親を誘惑することは、結びつきにくい。主人公は、電車で見た女等、ゆきずりの女を誘惑するのも得意なようなので、そちらに専念するほうが安全(?)自然だが・・。
もう一つ、こちらはより重大な問題と思うが、主人公が最後に辿り着く、見知らぬ娘の正体があまりにも偶然の一致すぎるのだ。19世紀頃の小説なら、ラストになって、全く血縁関係のないように思われた登場人物の間に、神の摂理によって、姻戚親族関係があったことが明らかになり、ハッピーエンドとなるというストーリーがよく見られたが(たとえば、白水社刊 スピリ少年少女文学全集の諸作品)、本書は21世紀の小説である。また、この結末に説得力を持たせるなら、充分な伏線が敷かれている必要があるが、そういう形跡はない。

緻密さはないですが、軽妙でテンポよく読み進められます。無理に重厚さを出さず潔いのでは。ストーリーはなかなかです。

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