システム同定の基礎 の感想

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参照データ

タイトルシステム同定の基礎
発売日販売日未定
製作者足立 修一
販売元東京電機大学出版局
JANコード9784501114800
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 工学 » メカトロ・ロボット工学

購入者の感想

 システム同定は確率システムのモデリングと推定方法を意味しており,この本を読むことでこの分野の基礎が理解できる.行間を読むには,しっかり自分でノートを作っていくのが良いだろう.
第1章ではシステム同定の概要が述べられており,これだけでも頭の整理ができる高尚な記述内容となっている(筆者の腕力の強さと見識の高さがこの章だけで理解できる).第2章から第5章までシステムの基本事項が述べられており,線形システムおよび確率過程,そしてサンプリングに関して整理されている.第6章からが動的な確率システムのモデリングの記述となるが,ここでは正規分布を誤差としたARX, ARMAXといったパラメトリック・モデルを扱っている.この本では周波数領域での解析をノンパラメトリックモデルと称して第7章で扱っている.第8章では最小二乗法および最尤法が述べられており,先のARXモデルのパラメータ推定の方法が理解できるようになっており,パラメトリックモデルに関する同定(あくまでもパラメータ推定に関して)の概要が整理されている.その後,第9章では逐次同定法,そして第10章ではモデル選択法が扱われている.
実は,第8章において状態空間モデルの同定法として部分空間法が述べられているが,ARMAXの同定までは解説されていない.しかし,第9章の逐次同定法をパラメトリックモデルの同定に組み込むような視点として読み込むと,さらに上級の同定理論との繋がりが理解できる.また,モデル選択法もあくまでも基本事項であるが,中身をしっかり吟味すると上級の理論への繋がりを見出せる.
ARMAXへの対処法,そして非線形の場合など発展性を気にしながらこの本を読めば,システム同定の基本を整理し,そして理解することができると思う.ただし,数式の導出や展開などは地道に自分で行う必要があるが,コラムに書かれているシステム工学史(厳密には他の言葉が良いが)を読むことでモチベーションが高まる(あるいは維持できる)かもしれない.

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