バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲) の感想
参照データ
タイトル | バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲) |
発売日 | 2009-10-21 |
アーティスト | シェリング(ヘンリク) |
販売元 | ユニバーサル ミュージック クラシック |
JANコード | 4988005577115 |
Disc 1 : | ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001 第1楽章:Adagio ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001 第2楽章:Fuga.Allegro ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001 第3楽章:Siciliano ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001 第4楽章:Presto パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 第1楽章:Allemande パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 第1楽章:Double パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 第2楽章:Courante パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 第2楽章:Double.Presto パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 第3楽章:Sarabande パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 第3楽章:Double パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 第4楽章:Tempo di Bourree パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 第4楽章:Double ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003 第1楽章:Grave ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003 第2楽章:Fuga ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003 第3楽章:Andante ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003 第4楽章:Allegro |
Disc 2 : | パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004 第1楽章:Allemande パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004 第2楽章:Courante パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004 第3楽章:Sarabande パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004 第4楽章:Gigue パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004 第5楽章:Chaconne ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005 第1楽章:Adagio ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005 第2楽章:Fuga alla breve ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005 第3楽章:Largo ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005 第4楽章:Allegro assai パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 第1楽章:Preludio パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 第2楽章:Loure パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 第3楽章:Gavotte en Rondeau パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 第4楽章:Menuet I/II パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 第5楽章:Bourree パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 第6楽章:Gigue |
カテゴリ | ミュージック » ジャンル別 » クラシック » 室内楽・器楽曲 |
購入者の感想
このCDに記録されたシェリングの音色は、とてもみずみずしく、のびのびしていて極めて美しい。美音の持ち主は、往々にして自らの音の美しさに浸った演奏をしがちであるが、シェリングの演奏は、調和が取れていて、純粋・明瞭かつ客観的であり、耽美的な要素はない。この録音から聞き取ることができるのは、シェリングの技巧の完璧さと、音のニュアンスの幅広さ、そして音楽の美しさである。音それ自体の美しさは、美しい音楽を構築するためのひとつの要素にすぎない。シェリングの演奏が厳しいとか精神性が高いと評されることがあるのは、音の美しさに浸りきった演奏をしないことに由来するのだと思う。シェリングの演奏には個性がないと言う人もあるが、それはどうだろうか。シェリングの音楽の美しさが個性とならないほど、この世は美しい音楽にあふれているのだろうか。私には、シェリングにしかできない演奏というものをいくつか思い浮かべることができる。シェリングの演奏を没個性的だとは決して思わない。
私が好きなのは次の点である。まず、和音の処理が見事なことである。随所に出てくる和音を、まるでオルガンで演奏しているかのように演奏することは生易しいことではないはずだ。また、上から下に弾く和音によってリズムが躍動するのも好きだ。次に、音のニュアンスが幅広い点も気に入っている。稲妻が走るかのような張り詰めた音色が鳴り響いたかと思えば、詩的な余情で溢れた音色も聞こえる。シェリングの演奏においては、音量が大きいことと音が強いことは意味が異なるのである。そして、音の微妙なニュアンスの違いを巧みに使い分けて構築するから、美しい音楽となって耳に届くのである。シェリングの演奏上のあらゆる美点を包含するのがシャコンヌで、その美しさを形容する言葉を知らない。ただただ完璧、美しいと言うほかない。
こんな素敵な音楽にめぐり合えたことを、とても幸福に思う。
私が好きなのは次の点である。まず、和音の処理が見事なことである。随所に出てくる和音を、まるでオルガンで演奏しているかのように演奏することは生易しいことではないはずだ。また、上から下に弾く和音によってリズムが躍動するのも好きだ。次に、音のニュアンスが幅広い点も気に入っている。稲妻が走るかのような張り詰めた音色が鳴り響いたかと思えば、詩的な余情で溢れた音色も聞こえる。シェリングの演奏においては、音量が大きいことと音が強いことは意味が異なるのである。そして、音の微妙なニュアンスの違いを巧みに使い分けて構築するから、美しい音楽となって耳に届くのである。シェリングの演奏上のあらゆる美点を包含するのがシャコンヌで、その美しさを形容する言葉を知らない。ただただ完璧、美しいと言うほかない。
こんな素敵な音楽にめぐり合えたことを、とても幸福に思う。