鍵泥棒のメソッド [DVD] の感想

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参照データ

タイトル鍵泥棒のメソッド [DVD]
発売日2013-05-10
監督内田けんじ
出演堺雅人
販売元メディアファクトリー
JANコード4935228127351
カテゴリDVD » ジャンル別 » 日本映画 » ドラマ

購入者の感想

2回目の鑑賞ですがとにかく面白い。香川さんの演技の切り替えの絶妙さ、細かい表情端はしに、一見シリアス場面のはずが確実に滑稽さや
微妙なずれ感など誘い、何かファンとしては次を期待してしまう・最高です!

これだけは断言できます。
こんな風に”胸がキューンとなる”ような映画を、私は未だかつて見たことがありません。

待ちに待った内田作品、大いに期待しながら映画館へ行きました。
私の期待はまったく裏切られなかったことをまずご報告しておきます。
ホントウにおもしろい映画でした。
ただ今回の作品にはこれまでの内田作品のような構成のトリックやあからさまなミスリードなどは存在しておりません。
トリッキーなドンデン返しを期待していると見事に肩透かしを食らってしまいますので要注意です。
もちろん内田監督らしくストーリーには充分にひねりが加えてあり、またキャスティングも絶妙で
一筋縄ではとらえきれない、楽しい大人の映画に仕上がっています。

(以下、ややネタバレになるので、知りたくない人は読まないでください。)

今回の作品では時系列もいじられることなく、ごくオーソドックスにストーリーが展開されていきます。
そして最後まで観てこれが純然たるラブストーリーだったことに改めて気が付かされるという仕組みになっています。
そういえば内田けんじはこれまでも一貫してラブストーリーを描いてきた映画作家でした。

お話の核となるのは香川照之と広末涼子のラブストーリー。
タイトルにもなっている鍵泥棒は売れない役者(堺雅人)のことなんだけど、どちらかというと映画の主役は香川照之。
悪役に徹した導入部分と記憶を失ってからの、心細くも前向きに生きようとする男の演じ分けは香川の面目躍如たるところ。
裏稼業に生きてきた非情の男のはずなのに、記憶を飛ばしてしまってからは妙に律義でまじめな努力家、いわゆる”良い人”になってしまう。
観ているこちらも、このまま記憶が戻らなければいいのに・・・このまま広末と幸せに暮らしていければいいのに・・・
・・・と応援したくなってしまいます。
いやいや、こいつの正体は殺人者、人並みの幸せなんかつかめるわけがない・・・と心のどこかで思いながらも、つい応援したくなってしまう。

「運命じゃない人」を観て内田けんじ監督の緻密な脚本力にハマってしまった人は多いと思うが自分のその一人。2作目「アフタースクール」でも絶妙なプロットに加えて、堺雅人、大泉洋、佐々木蔵之助という若手俳優3人を見事に使ったみごたえのある作品に仕上げた。

そして、みんなが期待した3作目がこれだ。

堺雅人を続投させ、広末涼子と香川照之という実力派の女優男優を入れた意欲作だけに監督の真の実力が試される作品となったわけだが、結果は大成功とまではいかなくてもかなりよい作品になっていると思う。日本アカデミー賞だけでなく上海の国際映画祭でも脚本賞を受賞している。

便利屋コンドー(香川照之)は冒頭のシーンで明らかに殺し屋としての仕事をスマートにこなす。高級スーツに身を包み車はベントレー(2千万くらいしますよ)。ところが殺しで付いた血を流すために銭湯にいったところなんと石鹸ですべって後頭部を強打、記憶を失う。たまたまそこに居合わせたのが、売れない役者で生活に困窮する男(堺雅人)。堺は何を考えたのかとっさに香川の持ち物を拝借していつのまにか香川の殺し屋としての生活を演じることとなる。一方、まじめ一本の出版社の編集長(広末涼子)は、死期の近い父親を考えて相手もいないのに結婚することを決意し、偶然病院で出会い記憶を失った香川のまじめさに惹かれていく...

ということで勘違いしたままトラブルに巻き込まれるという内田流のプロットがすぐに構成提示されるので、前2作を観た人にはニヤリとさせられる。勘違いコントで有名なのがアンジャッシュならば、勘違い映画を代表するのが内田けんじというわけ。

香川は記憶をうしなっても非常にまじめな性格は残っており、堺が残したどん底の生活から努力ですぐに脱出しような予感を与える一方、堺はその場しのぎで、香川が作り出したパーフェクトな殺し屋生活の環境がボロボロと崩れて行くその対比が非常におもしろい。

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