自由とは、選び取ること (青春新書INTELLIGENCE) の感想
参照データ
タイトル | 自由とは、選び取ること (青春新書INTELLIGENCE) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 村上 龍 |
販売元 | 青春出版社 |
JANコード | 9784413043878 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 倫理学入門 |
購入者の感想
私はあまり著者の作品に親しんでいるわけではありませんが、本書はとても新鮮に感じました。
思うに、著者は問題を解決する際には、ごく基本的なところに立ち返って考えることをマナーとしているように思います。
したがいまして、ごく基本的なところまで立ち返ることができないケース(質問者の環境がわからない、著者に質問者のような経験がない場合)にあっては、率直に「わかりません」と述べておられます。
本書を一読した後には、読者は広々としたパースペクティブを獲得していることに気づきます。なぜなら読者は、当該質問の解消の仕方についての作法を、本書を通じて学ぶからです。その作法とは、私の印象としては次のようなものです。
悩む者Aがいるとします。Aは自分の現状を「コーナーに追いつめられたボクサー」だと思っています。しかし、著者は、「あなたは本当にコーナーに追いつめられているのだろうか」「あなたがリングを降りたとき、何が起るだろうか」「そもそもその例えはあなたの現状を表現するに妥当だろうか」などという視点により、Aに思考することを促します。そのような視点からAの悩みを分析していくうち、Aは本来的に検討すべき事項を発見する場合もありますし、もしくは、Aのものは、単に「悩みではなく事実」である場合もありえるわけです。
いずれにしても冷静な知性によって悩み(=個人に生じる事件)を処理していく著者の仕方は、とても正統的に感じますし、個人の悩みについてだけでなく、社会一般の事件を検討する際にも有用なものと思います。
学問的にどういう位置づけがされるのかわかりませんが、難解な論文に触れること無くその実践を学ぶことができる本書に、私は大変満足しています。
思うに、著者は問題を解決する際には、ごく基本的なところに立ち返って考えることをマナーとしているように思います。
したがいまして、ごく基本的なところまで立ち返ることができないケース(質問者の環境がわからない、著者に質問者のような経験がない場合)にあっては、率直に「わかりません」と述べておられます。
本書を一読した後には、読者は広々としたパースペクティブを獲得していることに気づきます。なぜなら読者は、当該質問の解消の仕方についての作法を、本書を通じて学ぶからです。その作法とは、私の印象としては次のようなものです。
悩む者Aがいるとします。Aは自分の現状を「コーナーに追いつめられたボクサー」だと思っています。しかし、著者は、「あなたは本当にコーナーに追いつめられているのだろうか」「あなたがリングを降りたとき、何が起るだろうか」「そもそもその例えはあなたの現状を表現するに妥当だろうか」などという視点により、Aに思考することを促します。そのような視点からAの悩みを分析していくうち、Aは本来的に検討すべき事項を発見する場合もありますし、もしくは、Aのものは、単に「悩みではなく事実」である場合もありえるわけです。
いずれにしても冷静な知性によって悩み(=個人に生じる事件)を処理していく著者の仕方は、とても正統的に感じますし、個人の悩みについてだけでなく、社会一般の事件を検討する際にも有用なものと思います。
学問的にどういう位置づけがされるのかわかりませんが、難解な論文に触れること無くその実践を学ぶことができる本書に、私は大変満足しています。