福翁自伝 (福沢諭吉著作集) の感想

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参照データ

タイトル福翁自伝 (福沢諭吉著作集)
発売日2014-01-02
製作者福沢諭吉
販売元常葉書房
JANコード登録されていません
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般

購入者の感想

自伝は己を飾ることが多い。しかし、この自伝は赤裸々な告白に満ちている。幕末は暗殺団が暗躍したが、それが怖くて諭吉は家に閉じこもっていたという告白は武士としては臆病の恥をさらすようなものだ。それを包み隠さずに述べている自伝はやはり珍しい。それだけに自伝の内容全般に信ぴょう性を感じる。もうひとつ印象深いのは彼の合理的精神だ。現在の大分県北部に位置する中津奥平藩(徳川親藩)の下級武士の家に生まれ、保守的な藩風の中にあって物事を合理的に突きつめた彼の精神はどのようにして培われたのか興味がある。残念ながらこの本からはその原因は推知できない。しかし、生涯を通じ、現代人以上に合理的精神を貫いた彼は、その時代の中にあって傑出した人物であったことをうかがわせる優れた自伝である。

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