フェイス リファレンス の感想

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辞書のような分厚さの大ボリュームでこれだけ大きく顔写真が載っている本はなかなか無いと思います。
しかし、残念な点が目立ちます。
まず、この本の60ページ近くを占めている頭蓋骨の写真について。
撮影用に頭蓋骨を固定している白い器具が邪魔で頭蓋骨の一部が隠れてしまっている点が非常に残念です。他に固定する方法は無かったのでしょうか？また、もし固定するにしても頭蓋骨と同じ白色にする必要はあったのでしょうか？これでは頭蓋骨なのか器具なのかを判断する事も難しく、自分は最初に見たときこれが何なのか理解するのに時間がかかりました。
次に、写真の精度について。
写真資料を主としている本のハズですが、ブレた写真が平気で混ざっています。撮影の際にきちんと確認してその場で撮り直す　という作業はしていないようです。
最後に、明度と印刷について。これが一番残念な点です。
掲載されている写真のほぼ全てに言える事ですが、陰影と背景の境目がわかりづらい。(全くわからないと言っても過言ではない)
頭蓋骨のように真っ白の対象は比較的綺麗に写っていますが、本来メインであるハズの人物の顔写真は首や顎、髪などの陰影と背景の黒色が同化してしまっています。
特に黒人など、色の黒い方の写真は特にわかりづらい。背景の色を工夫するなり、証明器具を変更するなり、印刷に注意を払うなりすれば回避できたのではないでしょうか？
もし上記の点が改善されていれば最高の1冊となったであろうだけに、非常に悔やまれる出来です。

表情や人種の違いによる顔の特徴の資料等には良いかもしれませんが、造形など細かな作業の参考書としては何かと使いづらいです。
また、海外の方のレビューで「Kindle版はもっと酷い」とのレビューもあるので、本の印刷がダメならKindle版だ！ というのも難しそうです。

■まとめ
良い点
・ボリュームが多く、かなりの枚数写真が掲載されている
・1枚1枚の写真が大きく、1ページに1枚で載っているページも多い

悪い点
・印刷の関係か、陰影と黒背景の境目が曖昧で細かい所がよくわからない