梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫) の感想

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タイトル梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫)
発売日販売日未定
製作者小田部 雄次
販売元小学館
JANコード9784094083255
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

生涯のうち77年間日記をつけていたというだけでも驚きますが、その日記の主が、皇族梨本宮家に嫁いだ伊都子妃ですから、それだけでも相当興味を覚えるような資料です。旧佐賀藩主の侯爵鍋島家に出自を持つ彼女ですが、その長女が朝鮮王族の李王垠に嫁いだ方子妃でから、ますます興味を惹きます。まさしく日本近代史の歩みとその生涯はリンクするわけですから。

本書は、文庫本としてはかなりボリュームのある600ページ近くの分量に膨らんでいます。もっとも活字も大きく多くの写真を掲載していますので、読み進めるのに支障はないですし、筆者小田部雄次氏の分かりやすい解説もあり、歴史のダイナミックな動きに翻弄される伊都子の波乱万丈の生涯のドラマを見るような感覚で読み進めました。文語調で書かれた日記の本文も書き下し文であり、ふり仮名も振ってありますし、脚注もあるので日記の理解を助けるものとなっています。

章立ては、マント=ド=クール、日露戦争、世界の強国、喪服の宮妃、デモクラシーの風、戦火、警報、急転落、「象徴」の時代となっており、章を見るだけで明治・大正・昭和の激動の時代を知ることになりましょう。
戦後、平民になってからも旧皇族の意識は抜けず、536ページには注目すべき記載がありました。皇太子ご婚約発表に際し(1957年11月27日)、「朝からよい晴にてあたたかし。もうもう朝から御婚約発表でうめつくし、憤慨したり、なさけなく思ったり、色々。日本ももうだめだと考えた」と書いています。「結婚に付あまりにもかけはなれたる御縁組、おどろかされて心にもおさまらず」とあります。華族女学校卒業生の同窓会組織の常磐会の有力な会員であり、実妹の松平信子が常磐会会長ですから、その舌鋒の鋭さも相当なものでした。

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