ていねいなのに伝わらない「話せばわかる」症候群 (日経ビジネス人文庫) の感想

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『「上から目線」のもの言い』と『経験はやっかい』のセクションは自分が苦労していることが凝縮されて語られていて、そのまま使いたい台詞で盛りだくさんだった。経験の絶対化の問題に関する著者達の別の対談 (「ニッポンには対話がない」) は「駆け出しマネジャーの成長論」で引用されている。自分の日常の活動について「自分はこれだけの経験をしてきているんだから、その経験をしてきていないおまえにはわからない」(p68) と考えるのではなく、ほかの人との話題として共有できるように「同じ経験をしていないので同じ立場からはものを言えないけれど、経験している人と経験していない人とがいっしょに考えたらどうなるか」(p69) を心がけたい。

「中身がよければ伝わる」
「今の若者たちはコミュニケーション能力がいちじるしく衰えている」

本当なのか？

「人の言うことを聞いてはならないが、人の言うことは聞かなければならない」

どういうことなのか？

コミュニケーションの本質が見えてきた１冊です。

常識という前提条件を覆すと理解が変わるのが興味深いです。

本書の理解を深めるためにわかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)もオススメします。

これからの社会の方向性を知るためにも役立つ１冊です。