行政法総論を学ぶ (法学教室ライブラリィ) の感想

分量、内容ともに標準的な教科書だと思います。

一般的なテキスト（宇賀、サクハシ）などは通読するのに忍耐が必要ですが、
本書はケースを多用し、文章もこなれているので、気持ちよく通読できます。
学説の対立には立ち入らないので、迷路に迷いこむ危険が少ないのも利点。

ボリュームが多いと感じる方がいるかもしれませんが、ケースを使う関係上、
事例や関係条文などを含んでいるので、解説本文だけの分量はそれほどでも
ありません。むしろ、論点の掘り下げや学説分類などは抑制的だし、自説の
主張もひかえめなので、すらすら読めるはずです。

難というほどではありませんが、最後の方（情報関係、争訟法のミニ講義）が
駆け足すぎるように思います。
争訟法については、本書の続編を期待します。